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理由で解く 作業療法士

QO60P012 作業療法治療学

出典:第60回作業療法士国家試験(2025)午後 問12
問題
48歳の男性。ALS。発症後8年が経過し在宅生活を続けている。四肢や体幹に運動麻痺を生じて、手指筋力はMMT0レベル、ADLは全介助。さらに錐体路障害の症状を認め、人工呼吸器を装着している。この患者が導入するコミュニケーション機器で適切なのはどれか。2つ選べ。
選択肢
1 人工喉頭
2 透明文字盤
3 キーボードカバー
4 音声メモICレコーダー
5 眼球運動センサースイッチ
解答
正解2(透明文字盤)、5(眼球運動センサースイッチ)
解説

四肢MMT0・人工呼吸器装着のALS進行例では、残存しやすい眼球運動を利用する。透明文字盤(視線で文字を指示)と眼球運動センサースイッチが適応。

ALSは進行に伴い四肢・球・呼吸筋が侵されるが、眼球運動を司る外眼筋は比較的末期まで保たれることが多い。本例は手指MMT0・全介助・人工呼吸器装着で、発声もキー入力もできない状態のため、上肢や発声を用いる機器は使えない。透明文字盤は介助者と患者が透明板を挟み、患者の視線が向いた文字を読み取る非電力のローテク手段で、残存する眼球運動で意思伝達できる。眼球運動センサースイッチは眼球や眼瞼のわずかな動きをスイッチ入力に変換し、意思伝達装置やナースコールの操作を可能にするハイテク手段である。人工喉頭は発声用で呼吸器装着例には不適、キーボードカバーは手指入力が前提でMMT0では無効、ICレコーダーは自ら発声・録音が必要で不適。

✗ 1. 誤り
人工喉頭
喉頭摘出後などの代用発声機器で、手指・発声不能の本例のコミュニケーション手段にならない
✓ 2. 正しい
透明文字盤
視線で文字を指示する非電力手段、残存する眼球運動で使用可能
✗ 3. 誤り
キーボードカバー
誤打鍵を防ぐ入力補助だが手指MMT0では入力自体不能
✗ 4. 誤り
音声メモICレコーダー
自発発声と手指操作が前提で本例では使用不能
✓ 5. 正しい
眼球運動センサースイッチ
眼球の動きをスイッチ入力に変換し意思伝達装置を操作できる
ポイント
  • ALS末期でも外眼筋(眼球運動)は残存しやすい
  • 透明文字盤=ローテク視線入力
  • 眼球運動センサースイッチ=ハイテク入力
比較表
ALS進行度と意思伝達手段
残存機能適切な手段
発声可能会話・電話
手指操作可能PC・タブレット・タッチスイッチ
手指不能・眼球運動残存透明文字盤・眼球運動(視線)入力スイッチ
随意運動ほぼ消失(TLS)脳波BMI等(研究段階)
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