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理由で解く 作業療法士

QO60P008 作業療法治療学

出典:第60回作業療法士国家試験(2025)午後 問8
問題
8歳の女児。脳性麻痺痙直型両麻痺である。ボール遊び時の姿勢設定を図に示す。この児の適切な姿勢設定はどれか。
図
選択肢
1 1
2 2
3 3
4 4
5 5
解答
正解5(5)
解説

痙直型両麻痺では、下肢の内転・内旋と尖足を助長せず、足底を接地して左右対称に荷重できる姿勢を選ぶ。

図は同じボール遊びを5通りの姿勢で行わせた場面で、1は腹臥位で台の上のボールへ手を伸ばす姿勢、2は両下肢を左右に折り込んだ割座(W字座り)、3は箱の前での膝立ち、4は足が床に届かない椅子座位、5は両足底を床につけた深いしゃがみ込み位である。痙直型両麻痺の8歳児では股関節の内転・内旋と足関節の底屈(尖足)が強まりやすく、これを助長する姿勢は避けなければならない。5のしゃがみ込み位は両足底が接地して支持基底面が広く、股関節が屈曲・外転・外旋、足関節が背屈位となって痙直パターンと反対方向に働き、しかも両手が自由でボールを操作できる。2の割座は股関節を内旋・内転位に固定して変形や脱臼の危険を高めるため、最も避けたい座り方である。1は頭頸部と体幹を反らせて全身の伸展を強め、3は足底が接地せず膝立ちの保持自体が不安定、4は足底非接地で骨盤が後傾し仙骨座りになりやすい。したがって適切な姿勢設定は5である。

✗ 1. 誤り
1
腹臥位で台上のボールへ手を伸ばす姿勢。頭頸部と体幹を反らせ全身の伸展を強めるため不適切
✗ 2. 誤り
2
両下肢を左右に折り込んだ割座(W字座り)。股関節の内転・内旋を強め変形や脱臼を招くため最も避ける
✗ 3. 誤り
3
箱の前での膝立ち。足底が接地せず股関節伸展の保持も難しいため、遊びの姿勢としては不安定
✗ 4. 誤り
4
椅子座位だが両足が床に届いていない。足底非接地で骨盤が後傾し、体幹も下肢も安定しない
✓ 5. 正しい
5
両足底を接地した深いしゃがみ込み位。股・膝・足を対称に屈曲し背屈位で荷重でき、両手でボールを扱える
ポイント
  • 痙直型両麻痺=下肢の伸展・内転・尖足が優位
  • 股・膝屈曲で伸展パターンを抑制
  • 骨盤を起こし体幹を対称・正中位に安定
  • 安定した土台の上で上肢操作を促す
比較表
痙直型両麻痺の姿勢設定のポイント
部位整える方向
下肢股・膝屈曲、軽度外転で内転抑制
骨盤起こして後傾を防ぐ
体幹対称・正中位で安定
上肢土台安定後に分離操作を促す
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