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理由で解く 作業療法士

QO60A034 基礎作業療法学

出典:第60回作業療法士国家試験(2025)午前 問34
問題
脊髄小脳変性症と比較した場合の多発性硬化症の特徴はどれか。
選択肢
1 痙縮
2 運動失調
3 嚥下障害
4 構音障害
5 有痛性強直性けいれん
解答
正解5(有痛性強直性けいれん)
解説

有痛性強直性けいれんは脱髄による発作性症状で多発性硬化症に特徴的。運動失調・構音障害・嚥下障害は小脳・脳幹障害として両疾患に共通しうる。

多発性硬化症(MS)は中枢神経の脱髄疾患で、時間的・空間的多発性を示し、脱髄病巣の異常興奮伝播による発作性(paroxysmal)症状を呈する。その一つが有痛性強直性けいれん(painful tonic spasm)で、四肢が有痛性に強直する短時間の発作を反復する、MSに比較的特徴的な症状である。一方、脊髄小脳変性症(SCD)は小脳・脳幹・脊髄の変性疾患で、運動失調・構音障害・嚥下障害を主徴とする。これらは病型によってはMSでも生じうるため『比較して特徴的』とは言えず、痙縮も錐体路障害として両者に生じうる。よって鑑別上MSに特徴的なのは有痛性強直性けいれんである。

✗ 1. 誤り
痙縮
錐体路(脊髄)障害でMS・一部のSCDいずれにも生じうるため鑑別的特徴とは言えない
✗ 2. 誤り
運動失調
小脳性・脊髄性失調はSCDの中核症状であり、MSに特徴的とは言えない
✗ 3. 誤り
嚥下障害
脳幹・延髄障害で両疾患ともに進行期に出現しうる
✗ 4. 誤り
構音障害
小脳性・球麻痺性の構音障害はSCDで顕著で、MSに特徴的とは言えない
✓ 5. 正しい
有痛性強直性けいれん
脱髄病巣の異常放電による発作性症状で、MSに比較的特徴的
ポイント
  • MS=中枢脱髄、時間的・空間的多発、発作性症状
  • 有痛性強直性けいれん・レルミット徴候・視神経炎はMSに特徴的
  • 運動失調・構音障害はSCDの中核症状
比較表
多発性硬化症と脊髄小脳変性症
項目多発性硬化症(MS)脊髄小脳変性症(SCD)
病態中枢神経の脱髄・炎症小脳・脳幹・脊髄の変性
経過再発寛解/進行性緩徐進行性
特徴的症状視神経炎・有痛性強直性けいれん・レルミット徴候運動失調・構音障害
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