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理由で解く 作業療法士

QO59P007 作業療法評価学

出典:第59回作業療法士国家試験(2024)午後 問7
問題
68歳の女性。くも膜下出血後の四肢麻痺のため作業療法を行っている。現在、四肢の麻痺はほぼ認めない。高次脳機能障害が残存しMMSEを実施した。結果を図に示す。次に行う検査で最も優先されるのはどれか。
図
選択肢
1 AMPS
2 BADS
3 BIT
4 RBMT
5 VPTA
解答
正解3(BIT)
解説

MMSE図形模写で左側が脱落し右に偏る所見は左半側空間無視を示唆し、次に最優先するのはBIT(行動性無視検査)である。

見本は2つの五角形が重なった図形だが、被検者の模写は左側の五角形が再現されず、断片的な線が枠の右側に偏って描かれ、左方領域が空白になっている。この「左側の脱落・右方偏位」は左半側空間無視を強く示唆する所見である。したがって、MMSEに続いて最優先すべき検査は半側空間無視を定量評価するBIT(行動性無視検査)となる。AMPSはADL遂行、BADSは遂行機能、RBMTは記憶、VPTAは高次視知覚(失認)の検査で、いずれも本図が示す空間無視の第一選択評価には当たらない。

✗ 1. 誤り
AMPS
運動・処理技能の観察評価(ADL遂行の質を評価)。図形模写が示す空間性の問題を最優先で評価する検査ではない
✗ 2. 誤り
BADS
遂行機能障害症候群の行動評価。本図の左側脱落・右方偏位が示す空間無視の評価としては優先されない
✓ 3. 正しい
BIT
行動性無視検査=半側空間無視の検査。見本の左五角形が描かれず模写が右に偏る所見は左半側空間無視を示唆し、次に最優先で行う
✗ 4. 誤り
RBMT
日常記憶検査(Rivermead)。図形模写の空間性所見を評価する検査ではない
✗ 5. 誤り
VPTA
標準高次視知覚検査(視覚失認等)。左側の脱落は視知覚失認より空間無視を示し、第一選択にはならない
ポイント
  • MMSEはスクリーニング、疑い障害を専門検査で精査
  • BIT=半側空間無視の標準的評価(通常検査+行動検査)
  • AMPS=作業遂行、BADS=遂行機能、RBMT=記憶、VPTA=高次視知覚
  • 疑う障害に最も特異的な検査を選択する
比較表
高次脳機能評価バッテリーの標的
検査評価対象
BIT半側空間無視
AMPS作業遂行の運動・処理技能
BADS遂行機能
RBMT日常記憶
VPTA高次視知覚(失認・視空間)
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