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理由で解く 作業療法士

QO59P005 作業療法評価学

出典:第59回作業療法士国家試験(2024)午後 問5
問題
70歳の男性。右中大脳動脈領域のアテローム血栓性脳梗塞後に重度の左片麻痺と感覚障害が残存し、4週後、回復期リハビリテーション病院に転院した。転院時のバイタルサインに異常なく自発痛の訴えは無かった。左上下肢は随意性が乏しく、浮腫を認めた。血液検査ではDダイマーが高値以外は正常範囲であった。最も考えられる疾患はどれか。
選択肢
1 心不全
2 蜂窩織炎
3 肩手症候群
4 深部静脈血栓症
5 ネフローゼ症候群
解答
正解4(深部静脈血栓症)
解説

麻痺で不動の片側下肢の浮腫+Dダイマー高値は深部静脈血栓症(DVT)を強く示唆。片麻痺・長期臥床は静脈血栓の3大リスク(うっ滞)に該当する。

重度片麻痺で随意性が乏しく不動状態が続くと、麻痺側下肢の静脈還流がうっ滞し、Virchowの3徴(血流うっ滞・血管内皮障害・凝固亢進)のうち血流うっ滞が生じ深部静脈血栓症(DVT)を発症しやすい。本例は片側(左)に限局した浮腫、Dダイマー高値(フィブリン分解産物増加=血栓形成を反映)、他の血液所見は正常という点でDVTが最も合致する。心不全やネフローゼ症候群は通常両側性の浮腫を来し、蛋白尿・全身浮腫など他所見を伴うため片側性のみでは合わない。蜂窩織炎は発赤・熱感・疼痛・発熱を伴うが、本例はバイタル正常・自発痛なしで合致しない。肩手症候群(CRPS type I)は上肢の疼痛・腫脹・自律神経症状が主で、下肢浮腫やDダイマー高値の説明にならない。リハ開始前にDVTの評価(下肢エコー等)を行い、離床時の肺塞栓リスクに注意する。

✗ 1. 誤り
心不全
通常両側性浮腫で全身症状を伴い片側性に合わない
✗ 2. 誤り
蜂窩織炎
発赤・熱感・疼痛・発熱を伴うが本例は無症状
✗ 3. 誤り
肩手症候群
上肢の疼痛・腫脹が主でDダイマー高値を説明しない
✓ 4. 正しい
深部静脈血栓症
不動の片麻痺側浮腫+Dダイマー高値に合致
✗ 5. 誤り
ネフローゼ症候群
両側性・全身浮腫と蛋白尿を伴う
ポイント
  • 片麻痺・長期臥床は下肢DVTの高リスク
  • 片側下肢浮腫+Dダイマー高値=DVTを示唆
  • Virchowの3徴:うっ滞・内皮障害・凝固亢進
  • 離床時は肺血栓塞栓症に注意しエコー等で評価
比較表
下肢浮腫の鑑別
疾患浮腫の分布特徴所見
深部静脈血栓症片側性Dダイマー高値・不動が誘因
心不全両側性呼吸困難・頸静脈怒張
ネフローゼ症候群両側・全身性高度蛋白尿・低アルブミン
蜂窩織炎片側・限局発赤・熱感・疼痛・発熱
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