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理由で解く 作業療法士

QO59A003 作業療法評価学

出典:第59回作業療法士国家試験(2024)午前 問3
問題
Danielsらの徒手筋力テストの段階5及び4の検査で正しいのはどれか。ただし、矢印は検査者の加える力の方向を示す。
図
選択肢
1 肩甲骨内転と下方回施
2 肘屈曲(上腕筋)
3 前腕回内
4 手関節伸展
5 指の中手指節関節伸展
解答
正解1(1)
解説

MMTの段階5・4は目的筋だけが働く肢位に設定し、その筋の作用と逆方向へ抵抗するのが原則である。腹臥位で上肢を背中に回し、肩甲骨を外転・上方回旋させる方向へ抵抗する1が菱形筋のテストとして正しい。

Danielsらの徒手筋力テストで段階5・4を判定するには、目的筋が選択的に働く肢位をつくり、その筋の作用と反対方向へ最大抵抗を加える必要がある。1は腹臥位で上肢を背中に回して(肩関節伸展・内転・内旋)肩甲骨を内転・下方回旋位に置き、検査者が肘付近の上腕を把持して肩甲骨を外転・上方回旋させる方向、すなわち矢印の下外方向へ抵抗しており、菱形筋のテストとして肢位も抵抗方向も規定どおりである。2は上腕筋を分離するために前腕を回内位にして上腕二頭筋の関与を減らす必要があるが、図はその肢位になっていない。3の前腕回内は前腕遠位部を把持して回外方向へ抵抗するのが原則だが、図は手部を握っており把持部位が規定と異なる。4の手関節伸展は手指を脱力(屈曲)させて中手骨背側に抵抗するが、図は手指が伸展位のままで指伸筋が代償し、純粋な手関節伸展の評価にならない。5の中手指節関節伸展は基節骨背側に抵抗を加えるが、図では指の遠位側に加えられており、指伸筋の評価として不適切である。したがって正しいのは1である。

✓ 1. 正しい
肩甲骨内転と下方回施
腹臥位で上肢を背に回し、肩甲骨を外転・上方回旋させる方向へ抵抗。規定どおり。
✗ 2. 誤り
肘屈曲(上腕筋)
この筋を分離するには前腕回内位が必要だが、図はその肢位になっていない。
✗ 3. 誤り
前腕回内
前腕遠位を把持して回外方向へ抵抗するのが原則。図は手部を握り不適切。
✗ 4. 誤り
手関節伸展
手指を脱力させ中手骨背側に抵抗する。図は手指伸展位で指伸筋が代償する。
✗ 5. 誤り
指の中手指節関節伸展
抵抗は基節骨背側に加える。図は指の遠位側に加えており評価にならない。
ポイント
  • 段階5・4は抗重力位で全可動域+抵抗
  • 抵抗は運動方向と逆向き・遠位部に加える
  • 5と4は最大抵抗に抗せるかで区別
比較表
MMT(Daniels)の段階と肢位
段階所見肢位
5 Normal最大抵抗に抗し全可動域抗重力位+抵抗
4 Good中等度抵抗に抗し全可動域抗重力位+抵抗
3 Fair抵抗なしで全可動域抗重力位
2 Poor重力を除けば全可動域重力除去位
1 Trace収縮のみ触知
0 Zero収縮なし
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