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理由で解く 作業療法士

QO58A013 作業療法治療学

出典:第58回作業療法士国家試験(2023)午前 問13
問題
65歳の男性。3年前から右手に振戦がみられるようになり、体の動きが固く、すくみ足がみられ、表情も乏しくなっていった。日常生活の支障に対して作業療法が処方されたが、本人は何かと理由をつけてなかなか参加せず、無為に過ごす様子が目立ってきた。この患者の治療方針を検討する際に、評価すべき精神医学的な合併症として最も重要なのはどれか。
選択肢
1 うつ病
2 解離性障害
3 強迫性障害
4 身体表現性障害
5 統合失調症
解答
正解1(うつ病)
解説

静止時振戦・固縮・すくみ足・仮面様顔貌はParkinson病を示唆。Parkinson病は高頻度にうつを合併し、意欲低下・OT不参加の背景としてまず評価すべきはうつ病。

一側優位の静止時振戦、固縮(体の固さ)、すくみ足(歩行障害)、表情の乏しさ(仮面様顔貌)は、Parkinson病の典型的な運動症状である。Parkinson病では非運動症状としてうつが約40%と高頻度に合併し、ドパミン・セロトニン系の障害に加え疾患への心理的反応も関与する。本例は作業療法に参加せず無為に過ごすという意欲・活動性の低下がみられ、これはうつによるアパシー・抑うつ症状の可能性が高い。治療方針を左右する精神医学的合併症として、まず評価すべきはうつ病である。うつを見逃すと不参加を単なる非協力と誤認し、適切な介入機会を失う。

✓ 1. 正しい
うつ病
Parkinson病に高頻度に合併し、意欲低下・OT不参加の背景として最も重要
✗ 2. 誤り
解離性障害
心因性の意識・記憶・同一性の解離が主体で本例の経過に合致しない
✗ 3. 誤り
強迫性障害
強迫観念・強迫行為が特徴で本例に該当する所見がない
✗ 4. 誤り
身体表現性障害
器質的所見に乏しい身体症状の訴えが主体で、明らかな神経疾患のある本例と異なる
✗ 5. 誤り
統合失調症
幻覚妄想や陰性症状が主体で発症年齢・経過が合致しない
ポイント
  • 静止時振戦・固縮・無動・姿勢反射障害=Parkinson病四徴
  • Parkinson病はうつ・アパシーを高率に合併
  • 無為・不参加の背景としてうつを評価する
比較表
Parkinson病の主な非運動症状
領域代表例
精神うつ・アパシー・不安
認知遂行機能低下・認知症
自律神経便秘・起立性低血圧
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