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理由で解く 作業療法士

QO57P033 作業療法治療学

出典:第57回作業療法士国家試験(2022)午後 問33
問題
脳卒中による片麻痺Brunnstrom法ステージ上肢III、手指III、下肢IVの患者における治療について正しいのはどれか。
選択肢
1 緊張性頸反射を利用する。
2 立位時は麻痺側下肢に荷重を促す。
3 長下肢装具使用による歩行訓練を行う。
4 麻痺側上肢では重錘を用いた反復運動を行う。
5 非麻痺側上肢を拘束し麻痺側を強制的に使用させる。
解答
正解2(立位時は麻痺側下肢に荷重を促す。)
解説

下肢Ⅳは分離運動が出始める段階。立位で麻痺側下肢に荷重を促し、正常な運動パターンを引き出すのが適切である。

Brunnstrom法ステージは弛緩(Ⅰ)→痙性と共同運動の出現(Ⅱ〜Ⅲ)→分離運動の出現(Ⅳ〜Ⅴ)→ほぼ正常(Ⅵ)と回復する。本例の下肢Ⅳは、座位で膝を90度以上屈曲したり、踵を床につけたまま足関節を背屈できる段階にあたる。この段階では立位で麻痺側に体重を移す支持性が期待でき、荷重を通じて正常な運動パターンを促通するのが適切である。一方、上肢・手指はⅢで痙性が最も強く共同運動が優位な時期であり、痙性や異常パターンを助長する介入、高い随意性を前提とする介入は適さない。緊張性頸反射など原始反射の利用は異常筋緊張と共同運動を強めるため用いない。長下肢装具は膝の支持性が得られない重度例に用いるもので、下肢Ⅳでは過剰であり、必要でも短下肢装具で足関節を補う程度でよい。重錘を用いた反復運動は、上肢Ⅲでは痙性と共同運動を強めやすい。CI療法は手関節・手指の一定の随意伸展が適応条件であり、上肢Ⅲ・手指Ⅲでは適応外である。

✗ 1. 誤り
緊張性頸反射を利用する。
原始反射や連合反応の利用は異常筋緊張と共同運動を助長し、分離運動を促す時期に適さない
✓ 2. 正しい
立位時は麻痺側下肢に荷重を促す。
下肢Ⅳで支持性が得られる段階。荷重を通じて麻痺側の正常な運動を促通できる
✗ 3. 誤り
長下肢装具使用による歩行訓練を行う。
長下肢装具は膝の支持性がない重度例向け。下肢Ⅳには過剰で、必要でも短下肢装具程度
✗ 4. 誤り
麻痺側上肢では重錘を用いた反復運動を行う。
上肢Ⅲは痙性・共同運動期で、重錘負荷は痙性と異常パターンを助長する
✗ 5. 誤り
非麻痺側上肢を拘束し麻痺側を強制的に使用させる。
CI療法は手指伸展など一定の随意性が前提。上肢Ⅲ・手指Ⅲでは適応外
ポイント
  • 下肢IV=分離運動出現期、荷重促通が適切
  • 痙性・共同運動期に重錘・原始反射利用は不可
  • CI療法は手指の随意伸展が保たれた症例が適応
比較表
Brunnstromステージと運動の特徴
ステージ運動の特徴
I弛緩性麻痺(随意運動なし)
II〜III痙性出現・共同運動優位
IV〜V分離運動が出現
VIほぼ正常な協調運動
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