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理由で解く 作業療法士

QO57A033 作業療法評価学

出典:第57回作業療法士国家試験(2022)午前 問33
問題
視覚失認について正しいのはどれか。
選択肢
1 相貌失認は表情の認知は可能である。
2 純粋失読は指でなぞると読むことができる。
3 同時失認は個々の物体や人間の認識ができない。
4 色彩失認は同じ色のものを選ぶことが困難である。
5 視覚性物体失認は優位半球前頭葉の障害により生じる。
解答
正解2(純粋失読は指でなぞると読むことができる。)
解説

純粋失読はなぞり読み(運動覚を介した文字認知)が可能なのが特徴。書字はできるが自分で書いた字も読めない。

純粋失読は左後頭葉〜脳梁膨大部の病変で、視覚的に呈示された文字を読めない一方、書字は保たれ、指で文字をなぞる(運動覚を利用する)となぞり読みが可能になるのが典型像である。視覚以外の経路(触覚・運動覚)を介せば文字認知にアクセスできるためで、これが純粋失読を他の失語性失読と区別する重要な所見となる。他の選択肢はいずれも各高次視覚障害の定義と食い違う。

✗ 1. 誤り
相貌失認は表情の認知は可能である。
顔による個人の同定が困難となる障害。表情認知が障害される型(統覚型)もあり『表情の認知は可能』と一律に断定できない
✓ 2. 正しい
純粋失読は指でなぞると読むことができる。
文字を視覚的に読めないが、指でなぞると運動覚を介して読める(なぞり読み)のが特徴
✗ 3. 誤り
同時失認は個々の物体や人間の認識ができない。
個々の対象は認識できるが、全体を同時に把握できないのが本態。『個々の認識ができない』は逆
✗ 4. 誤り
色彩失認は同じ色のものを選ぶことが困難である。
色の弁別・同色選択(マッチング)は保たれるが、色名呼称や色と物の結びつけが困難。『同じ色を選ぶのが困難』は色覚異常の記述
✗ 5. 誤り
視覚性物体失認は優位半球前頭葉の障害により生じる。
後頭側頭葉(後頭〜側頭の視覚連合野)の障害で生じ、前頭葉障害ではない
ポイント
  • 純粋失読=なぞり読み可能・書字保たれる
  • 同時失認=個々は分かるが全体把握不能
  • 視覚性物体失認=後頭側頭葉の障害
  • 相貌失認=個人同定の障害
比較表
高次視覚障害の特徴
障害要点
純粋失読読字不能・書字可・なぞり読み可
相貌失認顔による個人の同定困難
同時失認全体を同時に把握できない
視覚性物体失認後頭側頭葉障害で物体を認知できない
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