
この図の解説
図は卵巣を割った内景で、まず外周の白い縁(白膜)と、その外側を包む臓側腹膜(胚上皮)を確認したい。実質は外側の緻密な皮質と、中心の柔らかい髄質に分かれる。皮質には①原始卵胞→②一次卵胞→③二次卵胞→④胞状卵胞→⑤グラーフ卵胞(成熟卵胞)と、発育段階の異なる卵胞が同時に並んでいる点がこの図の要である。表面が盛り上がって破れる⑥排卵の後、卵胞は⑦黄体となり、退化して⑧白体へと変わる。この一連を時計回りに追うと卵胞の一生が読み取れる。一方、髄質は中心の柔らかい層で、卵巣門から入る血管・リンパ管・神経に富み、卵胞は含まない。卵巣は母指頭大(3×1.5cm)の実質性器官で、外側は卵巣提索により骨盤壁につり下げられる。
学習の要点
- 卵巣実質は外側の皮質と中心の髄質に分かれ、卵胞・黄体・白体はすべて皮質にある。髄質は血管・リンパ管・神経の通り道で卵胞を含まない。
- 覚え方のコツ: 卵胞の成熟は「原始→一次→二次→胞状→グラーフ」の順。上皮が単層扁平(原始)→立方(一次)→重層=顆粒層(二次)と厚みを増し、腔(卵胞腔)ができると胞状、最大化するとグラーフ、と段階を上皮の変化で追う。
- 関連知識: 胞状卵胞とグラーフ卵胞の卵胞膜からエストロゲン(卵胞ホルモン)が分泌され、排卵後の黄体からはプロゲステロン(黄体ホルモン)が分泌される。
- よくある間違い: 排卵は血管の中ではなく腹腔に向けて起こる。卵子は放線冠に包まれて腹腔に出て、卵管采に拾われる。
- 臨床応用: 受精・着床が起こらないと黄体は10〜12日で退化し白体となる。この黄体退縮によるプロゲステロン低下が月経を引き起こす。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
排卵直前の最も成熟した卵胞で、大量のエストロゲンを分泌するものを( )卵胞(成熟卵胞)という。
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答え: グラーフ
受精・着床が起こらなかった黄体は退縮し、結合組織が増えて( )となる。
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答え: 白体
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。