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理由で解く 作業療法士

QO56P039 作業療法評価学

出典:第56回作業療法士国家試験(2021)午後 問39
問題
高次脳機能障害と脳の障害部位との組合せで正しいのはどれか。
選択肢
1 顔の左側の髭を剃り残す。 ― 後頭葉
2 新しい道順を覚えられない。 ― 前頭葉
3 何度も同じことを繰り返し聞く。 ― 側頭葉
4 物事を順序立てて実行することが難しい。 ― 後頭葉
5 見えていないのに見えているように振る舞う。 ― 頭頂葉
解答
正解3(何度も同じことを繰り返し聞く。 ― 側頭葉)
解説

『何度も同じことを繰り返し聞く』=近時記憶障害で、海馬を含む内側側頭葉の障害。症状と責任病巣を正しく対応させる。

各症状の背景にある高次脳機能障害と、その責任病巣(脳葉)を結び付ける問題。『何度も同じことを繰り返し聞く』は新しい出来事を保持できない近時記憶障害であり、記憶の中枢である海馬を含む内側側頭葉の障害で生じるため、側頭葉との組合せが正しい。他は責任病巣が入れ替わっており、半側空間無視や道順障害は頭頂葉、遂行機能障害は前頭葉、皮質盲を否認するAnton症候群は後頭葉が関与する。

✗ 1. 誤り
顔の左側の髭を剃り残す。 ― 後頭葉
左半側空間無視の症状で、責任病巣は主に右頭頂葉。後頭葉は誤り
✗ 2. 誤り
新しい道順を覚えられない。 ― 前頭葉
地誌的(道順)障害で、頭頂葉〜海馬・後部帯状回などが関与。前頭葉は誤り
✓ 3. 正しい
何度も同じことを繰り返し聞く。 ― 側頭葉
近時記憶障害で海馬を含む内側側頭葉の障害。組合せが正しい
✗ 4. 誤り
物事を順序立てて実行することが難しい。 ― 後頭葉
物事を順序立てて実行することが難しい。── 後頭葉:遂行機能障害で責任病巣は前頭葉(前頭前野)。後頭葉は誤り
✗ 5. 誤り
見えていないのに見えているように振る舞う。 ― 頭頂葉
見えていないのに見えているように振る舞う。── 頭頂葉:皮質盲を否認するAnton症候群で、両側後頭葉の障害。頭頂葉は誤り
ポイント
  • 近時記憶障害=内側側頭葉(海馬)
  • 半側空間無視・道順障害=頭頂葉/遂行機能障害=前頭葉/Anton症候群=後頭葉
比較表
症状(高次脳機能障害)と責任病巣
症状高次脳機能障害主な責任病巣
左側を剃り残す半側空間無視右頭頂葉
新しい道順を覚えられない地誌的(道順)障害頭頂葉・海馬/後部帯状回
繰り返し同じことを聞く近時記憶障害内側側頭葉(海馬)
順序立てて実行できない遂行機能障害前頭葉(前頭前野)
見えないのに見えるように振る舞うAnton症候群(皮質盲否認)両側後頭葉
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