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理由で解く 作業療法士

QO56A043 作業療法治療学

出典:第56回作業療法士国家試験(2021)午前 問43
問題
広汎性発達障害〈自閉スペクトラム症〉について正しいのはどれか。
選択肢
1 聴覚過敏は稀である。
2 クレーン現象がみられる。
3 注意欠如・多動性障害は合併しない。
4 視覚情報より聴覚情報への注目の方が優位である。
5 4〜5歳で「サリーとアン課題」ができるようになることが多い。
解答
正解2(クレーン現象がみられる。)
解説

自閉スペクトラム症では、他者の手をクレーンのように使って要求するクレーン現象がみられる。感覚過敏や視覚優位、心の理論の障害が特徴。

自閉スペクトラム症(ASD)は社会的コミュニケーションの障害と限定的・反復的な行動を中核とする。要求を言葉で伝えにくいため、他者の手をつかんで物へ導く「クレーン現象」がみられ、指さしなどの共同注意の乏しさと関連する。感覚過敏(特に聴覚過敏)は高頻度でみられ、情報処理は聴覚より視覚が優位なことが多いため視覚的支援が有効とされる。ADHDはしばしば併存し、「心の理論」の課題であるサリーとアン課題(誤信念課題)の通過は健常児より遅れやすい。これらから正しいのはクレーン現象である。

✗ 1. 誤り
聴覚過敏は稀である。
ASDでは聴覚をはじめとする感覚過敏が高頻度にみられる
✓ 2. 正しい
クレーン現象がみられる。
他者の手を道具のように使って要求する特徴的行動でASDに典型
✗ 3. 誤り
注意欠如・多動性障害は合併しない。
ASDとADHDの併存は多く、DSM-5でも併記診断が認められている
✗ 4. 誤り
視覚情報より聴覚情報への注目の方が優位である。
一般にASDは視覚優位で、視覚的手がかりの利用が有効
✗ 5. 誤り
4〜5歳で「サリーとアン課題」ができるようになることが多い。
定型発達児では4歳頃に通過するが、ASDでは心の理論の障害で通過が遅れやすい
ポイント
  • クレーン現象=他者の手を使って要求(ASDに特徴的)
  • 感覚過敏(聴覚過敏)は高頻度/視覚優位で視覚支援が有効
  • ADHDの併存は多い/サリーとアン課題(誤信念課題)の通過は遅れやすい
比較表
自閉スペクトラム症の特徴
項目ASDでの特徴
感覚聴覚など感覚過敏が高頻度
情報処理視覚優位(視覚的支援が有効)
要求行動クレーン現象・共同注意の乏しさ
心の理論誤信念課題(サリーとアン)の通過が遅延
併存ADHDの併存が多い
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