学習トップ理由で解く 作業療法士第12章 ▸ 実地 / QO56A015

理由で解く 作業療法士

QO56A015 作業療法治療学

出典:第56回作業療法士国家試験(2021)午前 問15
問題
17歳の男子。子供の頃から内向的な性格だが、乳幼児健診等で異常を指摘されたことはない。高校1年時から周囲の物音に敏感となり、「学校で同級生に嫌がらせをされる」と不登校になった。自宅では「向かいの家の住人が自分の行動に合わせて悪口を言う」、家族と外出した街中では「自分の考えたことが知れわたっている」と言うようになり、精神科を受診し、通院治療で状態がある程度改善した後に外来作業療法が導入された。この患者でみられやすい症状はどれか。
選択肢
1 意識変容
2 観念奔逸
3 強迫観念
4 思考制止
5 連合弛緩
解答
正解5(連合弛緩)
解説

被害妄想・注察妄想・考想伝播を呈する思春期発症の統合失調症。特徴的な思考の障害は連合弛緩(思考のまとまりのなさ)。

思春期発症で、被害妄想(嫌がらせをされる)、注察妄想(住人が悪口を言う)、考想伝播(考えが知れわたる)といった統合失調症に特徴的な症状が並ぶ。統合失調症では思考の連合がゆるみ、話の筋道がまとまらず観念どうしの結びつきが弛緩する連合弛緩(思路障害)がみられやすい。他の選択肢は気分障害(観念奔逸・思考制止)、神経症(強迫観念)、意識障害(意識変容)に関連する症状で、本例の統合失調症の思考障害としては連合弛緩が最も適切である。

✗ 1. 誤り
意識変容
意識混濁を伴うせん妄などでみられ、意識清明な統合失調症の思考障害とは異なる
✗ 2. 誤り
観念奔逸
躁状態でみられる、次々に観念が湧き話題が飛ぶ状態で統合失調症の典型ではない
✗ 3. 誤り
強迫観念
強迫症でみられる、不合理と分かっていても浮かぶ観念で本例に合致しない
✗ 4. 誤り
思考制止
うつ病でみられる思考の進行が遅く重い状態で、統合失調症の特徴的症状ではない
✓ 5. 正しい
連合弛緩
観念間の結びつきがゆるみ思考がまとまらない統合失調症に特徴的な思路障害で本例に合致
ポイント
  • 統合失調症の思考障害=連合弛緩
  • 被害妄想・注察妄想・考想伝播が陽性症状
  • 観念奔逸は躁、思考制止はうつ
  • 強迫観念は強迫症、意識変容は意識障害
比較表
思考の障害と関連疾患
症状主な疾患
連合弛緩統合失調症
観念奔逸躁状態
思考制止うつ病
強迫観念強迫症
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