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理由で解く 作業療法士

QO56A009 作業療法評価学

出典:第56回作業療法士国家試験(2021)午前 問9
問題
アテトーゼ型脳性麻痺児の食事の様子を図に示す。スプーンを口に近づけると図のような姿勢になってしまう。この児に出現している原始反射はどれか。
図
選択肢
1 探索反射
2 Galant反射
3 交差伸展反射
4 手の把握反射
5 対称性緊張性頸反射
解答
正解5(対称性緊張性頸反射)
解説

頸部を伸展させると上肢が伸展する(下肢は屈曲する)姿勢が対称性緊張性頸反射で、摂食時に口へ手・食物を運べず食事を妨げる。

図はアテトーゼ型脳性麻痺児の食事介助の場面である。左コマでスプーンを口へ近づけると、右コマでは小児の頭部が後方・上方へそり返り(頸部伸展)、それに連動して上肢が外側へ伸展し、体幹ものけぞって口へ食物を取り込めない姿勢になっている。対称性緊張性頸反射(STNR)は、頸部の伸展で両上肢が伸展し両下肢が屈曲する(頸部屈曲では両上肢屈曲・両下肢伸展)緊張性の反射で、脳性麻痺児では残存すると摂食や座位保持を妨げる。本図の「頸部伸展→上肢伸展」という姿勢変化はまさにこのSTNRの伸展パターンであり、選択肢5が正答となる。探索反射・Galant反射・交差伸展反射・手の把握反射はいずれも刺激部位や反応様式が異なり、図の姿勢を説明できない。

✗ 1. 誤り
探索反射
口角や頬への触刺激で頭部が刺激側へ向き吸啜に向かう反射。図は頬刺激による頭部回旋ではなく、頸部伸展に伴う全身の伸展であり該当しない
✗ 2. 誤り
Galant反射
腹臥位で脊柱傍を縦になぞると体幹が刺激側へ側屈する反射。図の摂食姿勢・上肢伸展とは無関係
✗ 3. 誤り
交差伸展反射
一側下肢への刺激で対側下肢が伸展・内転する下肢の反射。図が示す頸部伸展→上肢伸展のパターンとは異なる
✗ 4. 誤り
手の把握反射
手掌への圧刺激で手指が屈曲し握り込む反射。図の右コマでは手はむしろ開いており、握り込みは描かれていない
✓ 5. 正しい
対称性緊張性頸反射
頸部を伸展すると両上肢が伸展・両下肢が屈曲する(屈曲では逆)反射。スプーンを口へ近づけると頭部がそり返って頸部が伸展し、それに伴い上肢が伸展して口へ手が運べず摂食が妨げられる図の姿勢と一致する
ポイント
  • STNR=頸部屈伸で上下肢緊張が対称的に変化
  • 頸部伸展→上肢伸展・下肢屈曲
  • 摂食時の見上げ動作で伸展姿勢が誘発される
比較表
主な原始反射
反射誘発と反応
対称性緊張性頸反射頸部伸展→上肢伸展・下肢屈曲
非対称性緊張性頸反射顔を向けた側の上下肢が伸展
探索反射口角刺激で顔を刺激側へ向ける
Galant反射背部刺激で同側へ体幹側屈
手の把握反射手掌刺激で手指屈曲・把握
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