学習トップ / 理由で解く 作業療法士 / 第11章 ▸ 実地 / QO56A003
理由で解く 作業療法士

両手で1本のペンを挟むのは、手関節背屈が弱く腱固定(tenodesis)だけでは把持できないための代償。この動作を要する最上位レベルがC6Aである。
Zancolliの四肢麻痺上肢機能分類は、頸髄完全損傷者の残存筋を肘屈曲→手関節背屈→手指伸展→手指屈曲の順にたどって上肢機能レベルを判定する。本症例は25歳男性で肘屈曲は保たれ、手指屈曲拘縮以外に関節可動域制限はないが、片手ではペンを把持できず両手で1本のペンを挟み込んでいる。この両手を使う動作は、手関節背屈(長橈側手根伸筋)が弱く、手関節を背屈させて手指を他動的に屈曲させる腱固定作用(tenodesis)による把持が単独では成り立たないための代償であり、C6Aの典型像である。C5Aは腕橈骨筋を欠いて肘屈曲そのものが弱く、書字の場面で両手を使う動作まで到達しにくい。C6B3は短橈側手根伸筋が働いて手関節背屈が強く、腱固定によって片手でペンを把持できる。C7Aは総指伸筋が働いて尺側指の完全伸展が可能、C8Bは全指の完全屈曲が可能で、いずれも片手で把持でき両手による代償を要しない。したがって、この動作を行う頸髄損傷患者の最上位レベルはC6Aである。
| レベル | 残存する主な機能 |
|---|---|
| C5 | 肘屈曲(上腕二頭筋・腕橈骨筋) |
| C6A | 手関節背屈が弱い(tenodesis不十分) |
| C6B | 手関節背屈が強い(tenodesis把持可) |
| C7 | 肘伸展・手指伸展 |
| C8 | 手指屈曲 |
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