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理由で解く 作業療法士

QO56A002 作業療法評価学

出典:第56回作業療法士国家試験(2021)午前 問2
問題
筋萎縮性側索硬化症の機能的予後を示しているのはどれか。縦軸は機能、横軸は時間を示す。
図
選択肢
1 1
2 2
3 3
4 4
5 5
解答
正解1(1)
解説

ALSは進行性神経変性疾患で機能が時間とともに直線的・持続的に低下し続けるため、初期プラトー後に一定の傾きで低下していく経過(選択肢1)が機能的予後を示す。

縦軸が機能、横軸が時間で、実線が自然経過、点線がリハビリテーションを施行した経過を表す。ALS(筋萎縮性側索硬化症)は上位・下位運動ニューロンが進行性に変性する神経変性疾患であり、機能は時間経過とともに絶え間なく低下し続けるのが特徴である。したがって、初期のプラトー後に実線が一定の傾きで直線的・持続的に低下していく選択肢1が機能的予後を正しく示している。リハビリテーションは進行そのものを止められないが、点線が実線よりやや高い水準を保ちながら低下している点は、リハにより機能低下をある程度緩やかにし残存機能を維持しようとする経過に対応する。2は階段状の段階的悪化(多発性脳梗塞など)、3・4は急性発症後にいったん低下してから回復していく経過(脳卒中など)、5は急落後に低い水準で横ばいとなる経過であり、いずれも「進行性に低下し続ける」というALSの本質的経過とは合致しない。

✓ 1. 正しい
1
実線(自然経過)が初期の短いプラトー後に一定の傾きで直線的・持続的に低下し続け、点線(リハ経過)も高めの水準を保ちつつ同様に低下する。ALSは運動ニューロンが進行性に変性する疾患で機能は時間とともに絶え間なく低下するため、この経過が該当する
✗ 2. 誤り
2
実線がのこぎり状に急落とプラトーを繰り返して低下する。多発性脳梗塞など段階的に増悪する病態を示し、持続的・直線的に進行するALSとは経過が異なる
✗ 3. 誤り
3
実線が急峻に大きく低下した後に右上がりに回復しプラトーになる。脳卒中など急性発症後にリハで回復していく経過で、進行性に低下するALSには当てはまらない
✗ 4. 誤り
4
実線が急落後に直線的に回復し点線はより高い水準へ改善する。急性疾患後の回復経過であり、機能が改善する点でALSの予後とは逆
✗ 5. 誤り
5
実線が急落後に低い水準で横ばいのまま推移し自然回復がほとんどない。重度後遺症を残す急性病態の経過で、進行性に低下し続けるALSの経過とは異なる
ポイント
  • ALS=進行性・不可逆で回復や停滞がない持続的低下
  • 陰性四徴(眼球運動・感覚・膀胱直腸・褥瘡/知能)が保たれやすい
  • 再発寛解型(階段状)や改善曲線はALSの経過ではない
比較表
経過パターンと代表疾患
機能曲線代表疾患
持続的・進行性に低下ALS・進行性神経変性疾患
階段状に再発寛解多発性硬化症
急性低下後に改善脳卒中・外傷
低下後プラトー維持非進行性障害(脳性麻痺など)
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