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理由で解く 作業療法士

QO55P049 作業療法治療学

出典:第55回作業療法士国家試験(2020)午後 問49
問題
Alzheimer型認知症で正しいのはどれか。
選択肢
1 まだら認知症の特徴を示す。
2 症状の経過は階段状の増悪を示す。
3 認知症症状は老人斑の形成より遅れて出現する。
4 神経原線維変化はタウ蛋白の細胞外沈着により起こる。
5 現在では認知症治療薬を使用することで根本的治療も望める。
解答
正解3(認知症症状は老人斑の形成より遅れて出現する。)
解説

Alzheimer型認知症では、老人斑(アミロイドβ沈着)が症状発現に先行して形成され、認知症症状はそれより遅れて出現する。

Alzheimer型認知症の病理的特徴は、細胞外のアミロイドβ蓄積による老人斑と、細胞内のリン酸化タウ蛋白蓄積による神経原線維変化である。アミロイドβの沈着(老人斑)は症状が現れる10〜20年前から始まり、その後に神経原線維変化や神経細胞脱落が進んで、認知症症状は病理変化に遅れて顕在化する。したがって「認知症症状は老人斑の形成より遅れて出現する」が正しい。経過は緩徐進行性で、脳血管性認知症に特徴的な「まだら認知症」や「階段状増悪」はとらない。神経原線維変化はタウ蛋白の細胞内(外ではない)沈着による。現在の抗認知症薬(コリンエステラーゼ阻害薬・NMDA受容体拮抗薬)は進行を遅らせる対症療法であり、根本的治療ではない。作業療法士は病期に応じて残存機能を活かす支援を行う。

✗ 1. 誤り
まだら認知症の特徴を示す。
血管性認知症の特徴で、Alzheimer型では典型的でない
✗ 2. 誤り
症状の経過は階段状の増悪を示す。
血管性認知症の経過であり、Alzheimer型は緩徐進行性
✓ 3. 正しい
認知症症状は老人斑の形成より遅れて出現する。
アミロイド沈着が症状に先行するため正しい
✗ 4. 誤り
神経原線維変化はタウ蛋白の細胞外沈着により起こる。
タウ蛋白の細胞内沈着によるもので、細胞外は誤り
✗ 5. 誤り
現在では認知症治療薬を使用することで根本的治療も望める。
現行薬は進行抑制の対症療法で、根本治療ではない
ポイント
  • 老人斑(アミロイドβ・細胞外)は症状に先行
  • 神経原線維変化=タウ蛋白の細胞内沈着
  • 緩徐進行性でまだら認知症・階段状増悪ではない
  • 抗認知症薬は対症療法
比較表
Alzheimer型認知症と血管性認知症
項目Alzheimer型血管性
経過緩徐進行性階段状増悪
認知障害全般的まだら認知症
主病理老人斑・神経原線維変化脳血管障害
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