学習トップ理由で解く 作業療法士第13章 ▸ 実地 / QO55P019

理由で解く 作業療法士

QO55P019 地域作業療法学

出典:第55回作業療法士国家試験(2020)午後 問19
問題
28歳の男性。統合失調症で6か月前に精神科病院に措置入院歴がある。その後退院し、自治体による退院後支援計画に基づいて外来でフォローされていたが、2か月前から抗精神病薬の服薬が不規則になり、幻聴の増悪がみられた。自傷行為はなく、家族をはじめ周囲の人間に対して手をあげるようなことはないが「薬は飲むな」という幻聴に左右されてこの1週間は全く服薬しておらず、一昨日から一睡もできていない。両親が「担当医に相談しよう」と勧めてなんとか外来受診をさせたが、精神保健指定医から入院を勧められてもかたくなに拒否を続けている。この患者の現在の状態において適切な入院形態はどれか。
選択肢
1 任意入院
2 応急入院
3 医療保護入院
4 緊急措置入院
5 医療観察法による入院
解答
正解3(医療保護入院)
解説

自傷他害のおそれが明確でなく(措置入院の要件を満たさない)、本人は入院を拒否しているが、精神保健指定医が入院を要すると判断し家族等の同意が得られる状況=医療保護入院。

本例は病状悪化で入院治療が必要だが、自傷や他害のおそれは認められず、措置・緊急措置入院の要件(自傷他害のおそれ)を満たさない。本人は入院を拒否しており任意入院はできない。応急入院は家族等の同意が得られない緊急時の72時間限定の形態で、両親が関与し同意可能な本例には該当しない。医療観察法は重大な他害行為を行った者が対象で該当しない。精神保健指定医の診察により入院が必要と判断され、本人同意が得られなくても家族等(両親)の同意で行えるのが医療保護入院であり、これが適切である。

✗ 1. 誤り
任意入院
本人の同意に基づく入院だが、本人が拒否しており不可(誤)。
✗ 2. 誤り
応急入院
家族等の同意が得られない緊急時に指定医の判断で72時間に限り行う。両親が同意可能な本例には不適(誤)。
✓ 3. 正しい
医療保護入院
指定医が入院を要すると判断し、本人同意が得られなくても家族等の同意で入院。本例に合致(正)。
✗ 4. 誤り
緊急措置入院
自傷他害のおそれが著しく急を要する場合の措置。本例はおそれが明確でなく該当しない(誤)。
✗ 5. 誤り
医療観察法による入院
重大な他害行為を行った者への処遇制度で該当しない(誤)。
ポイント
  • 自傷他害のおそれ→措置/緊急措置入院
  • 本人拒否+家族等の同意+指定医判断→医療保護入院
  • 家族等の同意が得られない緊急時→応急入院(72時間)
比較表
精神保健福祉法の入院形態
形態本人同意要件・判定
任意入院あり本人の同意
医療保護入院なし指定医1名+家族等の同意
応急入院なし指定医判断、家族等同意が得られない緊急時・72時間
措置入院不問指定医2名一致、自傷他害のおそれ
緊急措置入院不問指定医1名、急を要する自傷他害・72時間
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