学習トップ / 理由で解く 作業療法士 / 第11章 ▸ 実地 / QO54P005
理由で解く 作業療法士

DWIの高信号は急性期梗塞。患者左半球の深部白質(放線冠=皮質脊髄路)の病巣は対側の右片麻痺を来す。
頭部MRI拡散強調像(DWI)の水平断で、側脳室体部レベルのスライス。画像下部の標識は「右」が見る側の左、「左」が見る側の右にあり、放射線学的表示(患者の右が画像の左)である。見る側の右寄り、すなわち患者の左半球の深部白質(側脳室体部近傍=放線冠領域)に、境界明瞭な小さな高信号病巣が1個認められる。DWIで高信号を呈するのは拡散制限を反映した急性期脳梗塞の所見である。この放線冠領域には皮質脊髄路(運動線維)が走行するため、左半球の同部位の梗塞は対側である右半身の運動麻痺、すなわち右片麻痺を生じる。小脳はこのスライスに描出されず体幹失調は該当せず、病巣が言語皮質・頭頂葉皮質ではないため失語・失行を直接示す所見ではなく、病巣が左半球にあるため右半球障害で起こる左半身の感覚障害も合致しない。したがって考えられる症状は右片麻痺であり、公式正答[4]と整合する。
右利きの大多数は左半球が言語優位半球で、ブローカ野(下前頭回後部)やウェルニッケ野(上側頭回後部)の皮質が障害されると失語が生じる。失行は頭頂葉(縁上回・角回など)の皮質病変で問題になる。本例の高信号は皮質ではなく側脳室体部近傍の深部白質=放線冠にとどまるため、皮質症状ではなく錐体路が断たれたことによる対側の片麻痺として読むのが筋道である。
| 病巣 | 主な症状 |
|---|---|
| 左内包後脚・放線冠 | 右片麻痺 |
| 左半球言語野 | 失語 |
| 頭頂葉 | 失行・感覚障害 |
| 右視床 | 左半身感覚障害 |
| 小脳・脳幹 | 体幹失調・運動失調 |
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