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理由で解く 作業療法士

QO54A016 作業療法治療学

出典:第54回作業療法士国家試験(2019)午前 問16
問題
17歳の男子。自閉症。自分なりの特定のやり方にこだわり融通が利かず、臨機応変に振る舞えずに失敗体験を積み重ね、自尊感情が著しく低下している。この常同性に関わる特性を踏まえた上での作業療法上の配慮として、最も重要なのはどれか。
選択肢
1 静かな環境で作業する。
2 用件は具体的に伝える。
3 図や表を用いた説明を行う。
4 1つずつ段階を踏んで作業する。
5 予定変更がある時は前もって伝える。
解答
正解5(予定変更がある時は前もって伝える。)
解説

設問は「常同性(こだわり・同一性保持)」に焦点。変化への不適応が失敗体験の核であるため、予定変更を前もって予告し見通しを与えることが最も重要。

自閉スペクトラム症では、同一性の保持(こだわり・常同性)が中核特性の一つで、予定や手順の変更に強い不安・混乱を示し、臨機応変な対応が苦手である。本症例は「特定のやり方へのこだわり・融通の利かなさ」で失敗を重ね自尊感情が低下している。したがって、常同性という設問の焦点に直接対応する配慮は、予定変更を前もって伝えて心の準備と見通しを与えること(構造化・予告)である。他の選択肢(静かな環境=感覚過敏、具体的な伝達・視覚支援=コミュニケーション特性、段階的提示=情報処理)はいずれも自閉症支援として有効だが、本問が問う「常同性」への配慮としては予告が最も直接的で重要である。

✗ 1. 誤り
静かな環境で作業する。
感覚過敏への配慮として有効だが常同性への対応ではない
✗ 2. 誤り
用件は具体的に伝える。
曖昧さの回避に有効だがコミュニケーション特性への配慮
✗ 3. 誤り
図や表を用いた説明を行う。
視覚支援は有効だが常同性への直接的配慮ではない
✗ 4. 誤り
1つずつ段階を踏んで作業する。
情報処理特性への配慮で有効だが焦点が異なる
✓ 5. 正しい
予定変更がある時は前もって伝える。
同一性保持・常同性への不安を軽減する最重要の配慮
ポイント
  • 自閉スペクトラム症の中核=社会性・コミュニケーションの障害と常同性(同一性保持)
  • 変更の予告・スケジュールの構造化で見通しを与える
  • 設問が問う特性に最も直接対応する選択肢を選ぶ
比較表
自閉スペクトラム症の特性と支援
特性支援の例
常同性・同一性保持予定変更の予告、スケジュールの構造化
コミュニケーション障害具体的・明確な伝達
視覚優位の情報処理図・写真・表による視覚支援
感覚過敏刺激の少ない静かな環境
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