学習トップ理由で解く 作業療法士第11章 ▸ 実地 / QO54A003

理由で解く 作業療法士

QO54A003 作業療法評価学

出典:第54回作業療法士国家試験(2019)午前 問3
問題
頭部MRIのT2強調像1〜5を図に示す。正常圧水頭症の状態を示すのはどれか。
図
選択肢
1
2
3
4
5 5別冊 No. 2 1〜5
解答
正解4(4)
解説

正常圧水頭症は「脳溝の萎縮に不相応な側脳室拡大(前角の丸い膨隆・高位円蓋部の脳溝狭小=DESH)」が特徴で、脳室と脳溝がともに開大する脳萎縮(ex vacuo性拡大)と鑑別する。

正常圧水頭症(NPH)は、脳脊髄液の循環・吸収障害により側脳室が拡大する一方、脳実質の萎縮(脳溝開大)を伴わない、あるいは高位円蓋部の脳溝がむしろ狭小化する"脳溝に不相応な脳室拡大(DESH)"が特徴である。④は側脳室が著明に拡大し前角が丸く膨隆する一方で高位円蓋部の脳溝が狭小であり、この不相応な脳室拡大の所見に最も合致する。①は基底核のT2低信号限局病変(陳旧性出血)、②は島・側頭葉のT2高信号病変(梗塞/浮腫)で、いずれも脳室拡大を伴わない。③⑤は側脳室拡大に脳溝開大を伴う脳萎縮(ex vacuo性拡大)パターンであり、NPHの"不相応な"脳室拡大とは区別される。臨床的にNPHは歩行障害・認知機能低下・尿失禁の三徴を呈し、髄液シャント術で改善しうる治療可能な病態である点が重要。

✗ 1. 誤り
左基底核付近にT2で低信号(黒)を呈する限局性病変を認め、脳室拡大はない。正常圧水頭症の所見ではない
✗ 2. 誤り
左島・側頭葉に斑状のT2高信号病変を認めるが脳室拡大はない。正常圧水頭症ではない
✗ 3. 誤り
脳萎縮(ex vacuo性拡大):側脳室は拡大するが皮質溝の開大も併存しており、NPHに特徴的な脳溝に不相応な脳室拡大とは言い難い
✓ 4. 正しい
側脳室(前角・体部)が著明に拡大し前角が丸く膨隆する一方、高位円蓋部の脳溝は狭小で、脳溝の萎縮に不相応な脳室拡大を示す。NPHに合致
✗ 5. 誤り
5別冊 No. 2 1〜5
側脳室拡大に加え皮質溝が全般に開大し脳回が菲薄化しており、萎縮に伴うex vacuo性拡大でNPHではない
ポイント
  • iNPH三徴=歩行障害・認知機能低下・尿失禁
  • 画像=脳溝萎縮に不釣り合いな脳室拡大(Evans index>0.3)
  • DESH=高位円蓋部/正中の脳溝狭小+シルビウス裂開大
比較表
脳室拡大をきたす病態の画像鑑別
病態脳室脳溝
正常圧水頭症拡大(不均衡に大)高位円蓋部で狭小・シルビウス裂開大
脳萎縮(Alzheimer型等)軽度拡大びまん性に拡大
閉塞性水頭症閉塞部より上流が拡大圧排され狭小
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 作業療法士
App Store入手