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理由で解く 作業療法士

QO54A002 作業療法評価学

出典:第54回作業療法士国家試験(2019)午前 問2
問題
作業場面を図に示す。この作業分析で正しいのはどれか。
図
選択肢
1 絵画と比べて自由度が高い。
2 いつでも作業を中断・再開できる。
3 情緒反応として攻撃性が出現しやすい。
4 主とした関節運動は手関節屈曲・伸展である。
5 肩関節筋力増強を目的に作業を段階付けることができる。
解答
正解2(いつでも作業を中断・再開できる。)
解説

塗り絵は輪郭が決まった鎮静的・机上の微細作業で、区画ごとに完結するため、いつでも中断・再開ができる。

図は色鉛筆を用いた塗り絵(成人向けの草花・自然のデザイン)を行う作業場面である。上段は机に向かって塗り絵をする様子、下段は手元で細密な花・植物の線画に色を塗っている様子が写る。塗り絵は輪郭があらかじめ決まっているため、白紙から描く絵画より自由度は低い(選択肢1誤)。作業自体は鎮静的で、攻撃性は出にくい(選択肢3誤)。動作は色鉛筆のつまみ持ちによる手指・MP/IP関節が中心で、手関節屈伸が主とはいえない(選択肢4誤)。また机上の微細動作であり、肩関節筋力増強を目的とした段階付けには向かない(選択肢5誤)。一方、塗り絵は小区画ごとに完結でき、途中で中断してもすぐに再開できるため「いつでも作業を中断・再開できる」が正しい(選択肢2正)。

✗ 1. 誤り
絵画と比べて自由度が高い。
図は輪郭線が印刷された塗り絵で、色を塗る範囲があらかじめ決められている。白紙から自由に描く絵画より自由度は低い
✓ 2. 正しい
いつでも作業を中断・再開できる。
塗り絵は小区画ごとに色を塗って完結する作業で、途中で止めても容易に再開できる。図の場面でも中断・再開が自由に行える
✗ 3. 誤り
情緒反応として攻撃性が出現しやすい。
図の塗り絵は静穏で鎮静的な作業であり、攻撃性より落ち着きをもたらしやすい
✗ 4. 誤り
主とした関節運動は手関節屈曲・伸展である。
色鉛筆をつまみ持ちして塗る動作は手指(母指・示指)とMP・IP関節の動きが中心で、手関節屈曲・伸展が主とはいえない
✗ 5. 誤り
肩関節筋力増強を目的に作業を段階付けることができる。
図は机上での細かい塗り作業で、肩関節の筋力増強を目的とした段階付けには不向きである
ポイント
  • 作業分析=作業のもつ身体・認知・情緒・対人要素を分解して評価する技法
  • 中断・再開が可能な作業は耐久性/意欲配慮の段階付けに有用
  • 主動作関節や誘発情緒は作業内容から具体的に判断する
比較表
作業分析で評価する主な観点
観点内容
工程・構造手順の明確さ、中断・再開の可否
身体的要素主動作関節、必要な筋力・可動域・巧緻性
認知的要素手順記憶、注意、判断
情緒・対人的要素達成感、攻撃性、協調性の誘発
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