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理由で解く 作業療法士

QO53P042 作業療法評価学

出典:第53回作業療法士国家試験(2018)午後 問42
問題
「作業の手順が分からない」、「説明がよく分からない」と訴える統合失調症の患者の認知機能を精査する目的で検査を実施した。図版の一部を図に示す。このような図版が含まれるのはどれか。
図
選択肢
1 WAB
2 BADS
3 MMSE
4 BACS-J
5 WAIS-Ⅲ
解答
正解4(BACS-J)
解説

高さの異なる3本のペグと色球を最少手数で並び替えるロンドン塔課題は、統合失調症の認知機能を測るBACS-Jの遂行機能下位検査である。

図は、高さの異なる3本のペグ(縦棒)と白・黒・灰の3色の球を用いたロンドン塔(Tower of London)課題の図版で、AとBという2つの異なる配置を示している。この課題では、一方の配置から他方の配置へ、規則に従って最少手数で球を移動させる遂行機能(計画・問題解決)を評価する。ロンドン塔課題は、統合失調症の認知機能を簡便に評価するBACS-J(Brief Assessment of Cognition in Schizophrenia 日本語版)の6下位検査(言語性記憶・ワーキングメモリ・運動速度・言語流暢性・注意/情報処理速度・遂行機能)のうち、遂行機能を測る検査として組み込まれている。設問の「作業の手順が分からない」「説明が分からない」という統合失調症患者の認知機能精査という文脈にも合致する。他の選択肢(WAB=失語症検査、BADS=遂行機能の行動評価だが構成課題が異なる、MMSE=認知症スクリーニング、WAIS-Ⅲ=一般知能検査)には、このロンドン塔型図版は含まれない。したがって正答は4のBACS-Jである。

✗ 1. 誤り
WAB
WAB(失語症検査):言語機能を評価する検査で、ペグと色球を並び替える図版は含まれない
✗ 2. 誤り
BADS
BADS(遂行機能障害の行動評価):規則変換カード・動作計画・鍵探し・時間判断・動物園地図・修正6要素で構成され、このロンドン塔型図版は用いない
✗ 3. 誤り
MMSE
見当識・記憶・計算等を問う認知症スクリーニングで、この種の課題図版はない
✓ 4. 正しい
BACS-J
BACS-J(統合失調症認知機能簡易評価尺度):遂行機能の下位検査としてロンドン塔課題を含み、図の高さの異なる3本のペグに配置された色球を最少手数で目標配置へ変換させる課題そのもの
✗ 5. 誤り
WAIS-Ⅲ
WAIS-Ⅲ(知能検査):積木模様・符号・絵画配列等を用いるが、このロンドン塔型の色球ペグ配置図版ではない
ポイント
  • BACS-J=統合失調症の認知機能簡易評価
  • 下位検査:言語記憶・数字順列・トークン運動・言語流暢性・符号・ロンドン塔
  • WABは失語症、BADSは遂行機能、MMSEは認知症スクリーニング
比較表
主な認知・高次脳機能検査の対象
検査主対象
BACS-J統合失調症の認知機能
WAB失語症
BADS遂行機能障害
MMSE認知症スクリーニング
WAIS-III一般知能
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