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理由で解く 作業療法士

QO53P020 作業療法治療学

出典:第53回作業療法士国家試験(2018)午後 問20
問題
30歳の男性。統合失調症。3週前に工場で働き始めた。外来作業療法ではパソコンを使用した認知リハビリテーションを継続している。ある時、同じ作業療法に参加する2人の患者から同時に用事を頼まれ、混乱した様子で相談に来た。この患者の職場における行動で最もみられる可能性があるのはどれか。
選択肢
1 挨拶ができない。
2 心気的な訴えが多い。
3 体力がなく疲れやすい。
4 すぐに仕事に飽きてしまう。
5 仕事の段取りがつけられない。
解答
正解5(仕事の段取りがつけられない。)
解説

複数課題で混乱するのは遂行機能・注意配分の障害の現れ。職場でも段取りをつけられない行動が予測される。

本症例は統合失調症で、2人から同時に用事を頼まれると混乱するというエピソードが示されている。これは複数の情報を同時に処理し優先順位をつけて計画・遂行する能力(遂行機能・注意の配分)の低下を反映する認知機能障害の現れである。統合失調症では作業記憶・遂行機能・注意の障害が就労上の困難の中核となりやすい。同種の困難が職場でも生じると予測され、複数の作業や指示を前に手順・優先順位を整理できず「仕事の段取りがつけられない」行動が最もみられる可能性が高い。他の選択肢は本エピソードから直接導かれる中核的困難ではない。

✗ 1. 誤り
挨拶ができない。
陰性症状で生じうるが本エピソードの困難とは異なる
✗ 2. 誤り
心気的な訴えが多い。
本症例の混乱の本質(遂行機能障害)を説明しない
✗ 3. 誤り
体力がなく疲れやすい。
易疲労はあり得るが同時処理の混乱を説明しない
✗ 4. 誤り
すぐに仕事に飽きてしまう。
エピソードが示す困難と対応しない
✓ 5. 正しい
仕事の段取りがつけられない。
遂行機能・注意配分の障害を反映し最も可能性が高い
ポイント
  • 統合失調症は遂行機能・作業記憶・注意の障害が就労困難の中核
  • 複数課題での混乱=段取り・優先順位づけの困難
  • 認知リハビリテーションで補完を図る
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