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理由で解く 作業療法士

QO53A076 臨床医学大要

出典:第53回作業療法士国家試験(2018)午前 問76
問題
歩行障害がある患者の頭部MRIのT1強調冠状断像を示す。腰椎穿刺を行い髄液を排出させたところ、歩行障害が改善した。最も考えられるのはどれか。
図
選択肢
1 Parkinson病
2 正常圧水頭症
3 脳梗塞
4 脳出血
5 慢性硬膜下血腫
解答
正解2(正常圧水頭症)
解説

側脳室の著明拡大+高位円蓋部脳溝の狭小(DESH)に加え、髄液排出で歩行が改善(tap test陽性)=正常圧水頭症。

提示された頭部MRI(T1強調冠状断)では、左右の側脳室が対称性に著明に拡大している一方、頭頂部(高位円蓋部)の脳溝は相対的に狭小で、脳室拡大の程度に釣り合っていない。この「脳室拡大に対して高位円蓋部の脳溝が不釣り合いに狭い」パターンは正常圧水頭症(特発性正常圧水頭症)に特徴的な所見(DESH)である。臨床的にも、腰椎穿刺で髄液を排出したところ歩行障害が改善したという経過はタップテスト陽性を意味し、正常圧水頭症を強く支持する。正常圧水頭症は歩行障害・認知機能低下・尿失禁を三徴とし、髄液シャント術で改善が期待できる「治療可能な認知症・歩行障害」の代表である。他の選択肢(Parkinson病、脳梗塞、脳出血、慢性硬膜下血腫)は、この画像の脳室拡大主体の所見や髄液排出での改善という経過に合致しない。したがって最も考えられるのは正常圧水頭症である。

✗ 1. 誤り
Parkinson病
黒質変性による運動障害が主体で、この画像のような著明な側脳室拡大は本態ではない。画像上も該当所見なし
✓ 2. 正しい
正常圧水頭症
側脳室が著明に拡大する一方、高位円蓋部の脳溝は狭小で(DESH様)、腰椎穿刺で髄液を排出すると歩行が改善する(tap test陽性)。画像・臨床経過とも合致
✗ 3. 誤り
脳梗塞
血管支配域に一致した楔状の梗塞巣が特徴だが、本像には限局性の梗塞巣は描出されていない
✗ 4. 誤り
脳出血
血腫による腫瘤性病変を認めるはずだが、本像に出血・血腫像はない
✗ 5. 誤り
慢性硬膜下血腫
脳表を圧排する三日月状の硬膜下貯留と正中偏位が典型だが、本像は脳室が対称性に拡大しており該当しない
ポイント
  • iNPH三徴=歩行障害・認知低下・尿失禁
  • タップテストで歩行改善=診断・シャント適応の指標
  • MRIでDESH所見・脳室拡大
  • 歩行は小刻み・すり足・開脚・すくみ
比較表
正常圧水頭症の要点
項目内容
三徴歩行障害・認知機能低下・尿失禁
検査髄液タップテスト、MRI(DESH・脳室拡大)
治療髄液シャント術(V-Pシャント等)
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