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理由で解く 作業療法士

QO53A017 作業療法治療学

出典:第53回作業療法士国家試験(2018)午前 問17
問題
28歳の女性。産後うつ病。育児休暇中である。元来、何事にも手を抜けない性格。出産から4か月経過したころから、子どもの成長が気になり始め、夫に不安をぶつけるようになった。次第に「母親失格」と言ってはふさぎ込むようになったため、夫に連れられて精神科を受診し入院となった。1か月半後、個別的作業療法が開始となったが、手芸中に「私は怠け者」とつぶやく様子がみられた。この患者に対する作業療法士の対応として適切なのはどれか。
選択肢
1 日記を取り入れる。
2 育児の振り返りを行う。
3 患者の不安な気持ちに寄り添う。
4 家族の育児への協力方法について話し合う。
5 性格による自己否定的考えについて話し合う。
解答
正解3(患者の不安な気持ちに寄り添う。)
解説

うつ病では自責的な発言を否定も助言もせず、まず不安や苦しさを受容し支持的に寄り添うことが基本で、洞察や振り返りを促す介入は回復を待って行う。

うつ病の急性期〜回復途上では、患者は自責感・無価値感が強く、『私は怠け者』のような自己否定は症状そのものである。この段階で性格や考え方の問題を話し合ったり育児を振り返らせたりすると、自責感を強め負担となる。作業療法士はまず患者の不安・つらい気持ちを受け止めて支持的に寄り添い、安心できる治療関係を築くことが適切である。日記による自己モニタリングや認知面への働きかけ、育児の振り返り、家族との協力体制の検討は、症状が軽快し本人が前向きに取り組める時期になってから段階的に行う。

✗ 1. 誤り
日記を取り入れる。
自己内省を促す介入で、自責の強い時期には負担となり時期尚早
✗ 2. 誤り
育児の振り返りを行う。
『母親失格』の自責感を刺激し悪化させうる
✓ 3. 正しい
患者の不安な気持ちに寄り添う。
支持的・受容的態度でまず信頼関係を築く、急性〜回復期の基本対応
✗ 4. 誤り
家族の育児への協力方法について話し合う。
重要だが症状が落ち着いてから扱う課題
✗ 5. 誤り
性格による自己否定的考えについて話し合う。
洞察や認知への直面化は回復を待って行うべきで現時点では負担
ポイント
  • うつ病急性〜回復期は支持的・受容的態度が基本
  • 自責的発言は否定も直面化もせず気持ちに寄り添う
  • 洞察・振り返り・課題整理は症状軽快後に段階的に
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