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理由で解く 作業療法士

QO52P084 リハビリテーション医学

出典:第52回作業療法士国家試験(2017)午後 問84
問題
摂食嚥下障害への対応で正しいのはどれか。
選択肢
1 飲水にはぬるま湯を用いる。
2 咽頭期障害では頭頸部伸展姿勢で嚥下する。
3 口腔期障害に対しては高粘度の食物を用いる。
4 先行期障害に対して食事のペースを指導する。
5 鼻咽腔閉鎖不全に対してはShaker法を用いる。
解答
正解4(先行期障害に対して食事のペースを指導する。)
解説

摂食嚥下の5期のうち先行期(認知期)の障害では食物・摂取ペースの認知が困難となるため、一口量やペースの指導が有効。誤嚥予防の基本は頸部前屈(うなずき嚥下)である。

摂食嚥下は先行期(認知期)・準備期・口腔期・咽頭期・食道期に分けられる。先行期障害は認知症などで食物や摂取ペースを認識できない状態で、詰め込み・早食いによる窒息・誤嚥を防ぐため食事のペース配分や一口量の指導が有効である(4が正しい)。誤嚥予防の姿勢は頸部を前屈させる(頭頸部伸展は気道が開き誤嚥を助長するため誤り)。温度は冷たい刺激の方が嚥下反射を惹起しやすい。口腔期障害では食塊移送が困難なため付着性の高い高粘度食はむしろ不利で、まとまりやすく咽頭を通過しやすい形態が望ましい。Shaker法(頭部挙上訓練)は舌骨上筋群を鍛え食道入口部(上部食道括約筋)の開大を促す訓練で、鼻咽腔閉鎖不全の対応ではない。

✗ 1. 誤り
飲水にはぬるま湯を用いる。
冷水など冷たい刺激の方が嚥下反射を誘発しやすく、ぬるま湯が有利とは限らない
✗ 2. 誤り
咽頭期障害では頭頸部伸展姿勢で嚥下する。
伸展は気道を開き誤嚥を招く。頸部前屈(うなずき嚥下)が基本
✗ 3. 誤り
口腔期障害に対しては高粘度の食物を用いる。
付着性の高い高粘度食は食塊移送を妨げる。まとまりやすい適度な粘度が望ましい
✓ 4. 正しい
先行期障害に対して食事のペースを指導する。
認知期の障害には一口量・ペースの指導が有効
✗ 5. 誤り
鼻咽腔閉鎖不全に対してはShaker法を用いる。
Shaker法は食道入口部開大を目的とした頭部挙上訓練で、鼻咽腔閉鎖不全の適応ではない
ポイント
  • 摂食嚥下5期:先行期・準備期・口腔期・咽頭期・食道期
  • 先行期(認知期)障害=ペース・一口量の指導
  • 誤嚥予防の基本姿勢は頸部前屈(うなずき嚥下)
  • Shaker法=頭部挙上訓練で食道入口部開大
比較表
摂食嚥下5期と主な障害・対応
時期障害と対応
先行期(認知期)食物・ペース認知の障害→一口量・ペース指導
準備期咀嚼・食塊形成の障害→食形態の調整
口腔期食塊移送の障害→まとまりやすい形態
咽頭期嚥下反射・誤嚥の問題→頸部前屈、増粘剤
食道期食道通過の障害→逆流予防(食後坐位)
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