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理由で解く 作業療法士

QO52P038 作業療法治療学

出典:第52回作業療法士国家試験(2017)午後 問38
問題
慢性期頸髄損傷の残存機能レベルと使用する機器の組合せで正しいのはどれか。
選択肢
1 第3頸髄節 ― 環境制御装置
2 第4頸髄節 ― 人工呼吸器
3 第5頸髄節 ― チンコントロール電動車椅子
4 第6頸髄節 ― BFO
5 第7頸髄節 ― コックアップスプリント
解答
正解1(第3頸髄節 ― 環境制御装置)
解説

第3頸髄節(C3)残存では上肢の随意運動がまったく得られないため、呼気や顎・音声などをスイッチにして家電や通信機器を操作する環境制御装置が適応となり、組合せとして正しい。

慢性期の頸髄損傷では残存髄節ごとに使える筋が決まるため、それに見合った機器を選ぶ。C3残存では上肢を随意的に動かせず、頭部・顎の動きや呼気、音声といったわずかな随意動作をスイッチにして家電・ナースコール・通信機器を操作する環境制御装置(ECS)が有用である。人工呼吸器を要するのは横隔膜を支配する横隔神経(C3〜C5、主にC4)が働かないC3以上の高位であり、C4残存なら横隔膜による自発呼吸が可能で、慢性期には人工呼吸器から離脱できていることが多い。チンコントロール型電動車椅子は手でジョイスティックを操作できないおおむねC4以上の高位に用いるもので、三角筋・上腕二頭筋が働くC5では手によるジョイスティック操作が可能である。BFO(平衡式前腕装具)は肩・肘周囲の筋力が不十分で上肢を空間に保持できないC5レベルの食事動作などを補助する装具であり、手関節背屈によるテノデーシス把持が使えるC6では通常不要である。コックアップスプリントは手関節背屈が保てないときに背屈位を保持する装具だが、長・短橈側手根伸筋(C6)が働くC6・C7では自力で背屈できるため適応にならない。以上より残存レベルと機器が正しく対応するのは選択肢1だけである。

✓ 1. 正しい
第3頸髄節 ― 環境制御装置
C3は上肢が動かせず、呼気や顎のスイッチで操作する環境制御装置の適応で正しい組合せ
✗ 2. 誤り
第4頸髄節 ― 人工呼吸器
C4は横隔膜が働き自発呼吸が可能。人工呼吸器を要するのはC3以上で、誤りの組合せ
✗ 3. 誤り
第5頸髄節 ― チンコントロール電動車椅子
C5は手でジョイスティックを操作できる。顎操作型はC4以上の高位に用いるもの
✗ 4. 誤り
第6頸髄節 ― BFO
BFOは肩・肘の筋力が不十分なC5向け。テノデーシス把持が使えるC6では不要
✗ 5. 誤り
第7頸髄節 ― コックアップスプリント
C7は橈側手根伸筋が働き手関節背屈が可能で、背屈位を保持する装具は要さない
ポイント
  • C4=環境制御装置(上肢随意運動が乏しい)
  • 人工呼吸器はC3以上(横隔膜C3〜5)
  • BFOはC5、コックアップスプリントはC6付近が目安
比較表
頸髄損傷残存レベルと代表的機器
残存レベル代表的な機器・装具
C1〜3人工呼吸器・環境制御装置・チンコントロール電動車椅子
C4環境制御装置・チンコントロール電動車椅子
C5BFO(平衡式前腕装具)
C6手関節駆動式把持装具・コックアップスプリント
C7肘伸展可能、プッシュアップ・移乗自立へ
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