学習トップ理由で解く 作業療法士第11章 ▸ 実地 / QO52A008

理由で解く 作業療法士

QO52A008 作業療法評価学

出典:第52回作業療法士国家試験(2017)午前 問8
問題
図のように右股関節を最大屈曲させた際に、左大腿部の挙上がみられた。短縮が最も考えられる筋はどれか。
選択肢
1 大腿筋膜張筋
2 大腿直筋
3 中殿筋
4 縫工筋
5 大腰筋
解答
正解5(大腰筋)
解説

対側股関節を最大屈曲させると被検側の大腿が挙上する(Thomasテスト陽性)=被検側股関節の屈曲拘縮。主因は股関節屈筋である腸腰筋(大腰筋)の短縮。

背臥位で片側(右)股関節を最大屈曲させると骨盤後傾が起こり腰椎前弯が消える。このとき対側(左)に股関節屈曲拘縮があると、床に伸展位で保てず左大腿が浮き上がる。これはThomasテスト陽性で、股関節の屈曲拘縮=股関節屈筋の短縮を意味する。股関節の主要屈筋は腸腰筋(大腰筋+腸骨筋)であり、大腿の挙上(股関節屈曲位固定)を最もよく説明するのは大腰筋の短縮である。大腿直筋の短縮なら大腿挙上に加え膝伸展の代償が目立ち(Thomas変法では下腿の伸び上がりで鑑別)、大腿筋膜張筋の短縮では股関節が外転・屈曲位をとる(Oberテスト陽性)。中殿筋は股関節外転筋、縫工筋は補助的な屈曲・外転・外旋筋であり、単純な大腿挙上(純粋な屈曲拘縮)の主因としては大腰筋が最も妥当である。

✗ 1. 誤り
大腿筋膜張筋
短縮では股関節外転・屈曲位をとりOberテストで評価。純粋な屈曲拘縮の主因ではない
✗ 2. 誤り
大腿直筋
短縮は膝伸展を伴う挙上として現れ、Thomas変法で下腿の伸び上がりで鑑別される
✗ 3. 誤り
中殿筋
股関節外転筋であり、股関節屈曲拘縮(大腿挙上)の原因筋ではない
✗ 4. 誤り
縫工筋
屈曲・外転・外旋に補助的に働くが、単純な屈曲拘縮の主因とはなりにくい
✓ 5. 正しい
大腰筋
股関節の主要屈筋。短縮で股関節屈曲拘縮を生じ、対側最大屈曲時の大腿挙上を最もよく説明
ポイント
  • 対側最大屈曲で被検大腿が挙上=Thomasテスト陽性
  • 股関節屈曲拘縮の主因は腸腰筋(大腰筋)の短縮
  • 大腿直筋短縮は膝伸展の代償、TFL短縮はOberテストで鑑別
比較表
股関節周囲筋の短縮テスト
作用評価テスト
腸腰筋(大腰筋)股関節屈曲Thomasテスト
大腿直筋股関節屈曲・膝伸展Thomas変法/Ely
大腿筋膜張筋・腸脛靱帯股関節外転・屈曲Oberテスト
中殿筋股関節外転
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