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理由で解く 臨床医学総論

Q28H011 衛生学

出典:鍼灸 第28回(2020) 問題11
問題
曝露群が非曝露群に比べて何倍疾病に罹りやすいかを示す疫学指標はどれか。
選択肢
1 相対危険
2 寄与危険
3 寄与危険割合
4 集団寄与危険
解答
正解1(相対危険)
解説

曝露群が非曝露群に比べて何倍疾病にかかりやすいかを示すのは、罹患率の「比」である相対危険である。

疫学指標は「比」と「差」で性格が分かれる。相対危険は曝露群の罹患率を非曝露群の罹患率で割った値なので無単位で、1.0なら関連なし、大きいほど関連が強いことを意味する。一方、寄与危険は罹患率の差であり、曝露をなくせばどれだけ減らせるかという公衆衛生上の対策効果の大きさを表す。同じ相対危険2倍でも、もともとの罹患率が高い疾病なら寄与危険は大きく、低い疾病なら小さい。したがって「関連の強さを知りたいなら比、対策で減らせる量を知りたいなら差」と使い分ける。設問の「何倍」という言い方は比を求めているので、相対危険が答えになる。

✓ 1. 正しい
相対危険
相対危険は、曝露群の罹患率を非曝露群の罹患率で割った比の指標で、曝露によって何倍疾病にかかりやすくなるかを示す。無単位で、1.0のとき関連なしと判断する。設問に一致する。
✗ 2. 誤り
寄与危険
寄与危険は、曝露群の罹患率から非曝露群の罹患率を引いた差である。曝露によって上乗せされた罹患率の大きさを表し、「何倍」ではなく「どれだけ増えたか」を示す指標である。
✗ 3. 誤り
寄与危険割合
寄与危険割合は、曝露群の罹患率と非曝露群の罹患率の差を曝露群の罹患率で割って100を掛けた値である。曝露群の罹患のうち曝露に起因する割合(%)を示すもので、両群の罹患のしやすさの倍率ではない。
✗ 4. 誤り
集団寄与危険
集団寄与危険は、集団全体の罹患率から非曝露群の罹患率を引いた値で、集団全体で曝露をなくしたときに減らせる罹患率を示す。これも差の指標であり、倍率を示すものではない。
ポイント
  • 相対危険=曝露群の罹患率 ÷ 非曝露群の罹患率。「何倍かかりやすいか」=比。
  • 寄与危険=曝露群の罹患率 − 非曝露群の罹患率。「どれだけ増えたか」=差。
  • 寄与危険割合=(曝露群の罹患率 − 非曝露群の罹患率)÷ 曝露群の罹患率 ×100(%)。
  • 集団寄与危険=集団全体の罹患率 − 非曝露群の罹患率。集団で曝露をなくしたときに減らせる量。
  • いずれもコホート研究から算出できる。症例対照研究ではオッズ比で相対危険を近似する。
  • 重要用語: 相対危険, 寄与危険, 寄与危険割合, 集団寄与危険, オッズ比 を正確に理解しておくこと。
比較表
指標計算意味
相対危険曝露群の罹患率 ÷ 非曝露群の罹患率何倍かかりやすいか(比・関連の強さ)
寄与危険曝露群の罹患率 − 非曝露群の罹患率曝露で上乗せされた量(差)
寄与危険割合(曝露群 − 非曝露群)÷ 曝露群 ×100曝露群の罹患のうち曝露に起因する割合(%)
集団寄与危険集団全体の罹患率 − 非曝露群の罹患率集団で曝露をなくせば減らせる量
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