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理由で解く 臨床医学総論

Q28H010 衛生学

出典:鍼灸 第28回(2020) 問題10
問題
感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症法)に定められた感染症で致命率が最も高いのはどれか。
選択肢
1 エボラ出血熱
2 中東呼吸器症候群(MERS)
3 腸管出血性大腸菌感染症
4 デング熱
解答
正解1(エボラ出血熱)
解説

感染症法は、感染力と罹患した場合の重篤性から感染症を1類〜5類などに分類している。選択肢のなかで致命率(かかった人のうち死亡する割合)が最も高いのはエボラ出血熱である。

感染症法の類型は、感染力と罹患した場合の重篤性等に基づく危険性の程度によって分けられている。1類は感染力・重篤性がともにきわめて高いものを集めた類型で、エボラ出血熱がこれにあたり、原則入院(入院勧告)や消毒などの対物措置、交通制限まで想定された最も厳重な扱いを受ける。中東呼吸器症候群(MERS)は2類、腸管出血性大腸菌感染症は3類、デング熱は4類であり、下の類にいくほど「就業制限」「媒介動物の駆除」といった別の観点が対策の中心になる。ただし類型はあくまで感染力と重篤性を合わせた危険性の程度による区分なので、類の番号をそのまま致命率の順位に読み替えることはできない。この4つのなかでどれが最も致命率が高いか、と設問の枠内で判断するのが正しい解き方である。

✓ 1. 正しい
エボラ出血熱
エボラ出血熱は1類感染症であり、この4つのなかでは致命率が最も高いものとして扱われる。1類は感染力・重篤性がともにきわめて高い類型で、原則入院となる点もあわせて押さえておきたい。
✗ 2. 誤り
中東呼吸器症候群(MERS)
中東呼吸器症候群(MERS)は2類感染症で、致命率は決して低くないが、1類のエボラ出血熱ほどではない。2類は状況に応じて入院勧告が行われる類型である。
✗ 3. 誤り
腸管出血性大腸菌感染症
腸管出血性大腸菌感染症は3類感染症である。3類は飲食物を取り扱う業務などへの就業制限が主な措置であり、致命率の高さで1類に並ぶ疾患ではない。
✗ 4. 誤り
デング熱
デング熱は4類感染症で、蚊が媒介する感染症である。4類の措置の中心は媒介動物の駆除や消毒などの対物措置で、就業制限や入院勧告は行われない。
ポイント
  • 本問の4肢(エボラ出血熱・中東呼吸器症候群〈MERS〉・腸管出血性大腸菌感染症・デング熱)のうち、致命率が最も高いのはエボラ出血熱(1類感染症)。
  • 類型の番号は感染力と重篤性を合わせた危険性の程度による区分で、致命率の順位を表すものではない。類が下でも発症後の致命率が高い疾患はある。
  • 1類=原則入院・対物措置・交通制限まで想定される最も厳重な類型。ペスト・痘そうなども1類。
  • MERS・SARS・結核・ジフテリア・急性灰白髄炎は2類、腸管出血性大腸菌感染症やコレラ・細菌性赤痢は3類、デング熱・マラリア・日本脳炎は4類。
  • 類型は政令・省令の改正で動くため、疾患名の割り当ては最新の一覧で確認する。
  • 重要用語: 感染症法, 1類感染症, エボラ出血熱, 致命率 を正確に理解しておくこと。
比較表
類型本問の疾患主な措置
1類感染症エボラ出血熱原則入院(入院勧告)、消毒等の対物措置、交通制限
2類感染症中東呼吸器症候群(MERS)状況に応じ入院(入院勧告)、消毒等の対物措置
3類感染症腸管出血性大腸菌感染症飲食物取扱い等の特定業務への就業制限
4類感染症デング熱媒介動物の駆除、消毒等の対物措置(就業制限・入院はなし)
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