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理由で解く 臨床医学総論

Q28H003 医療概論

出典:鍼灸 第28回(2020) 問題3
問題
ヒトを対象とした医学研究の倫理について定めたのはどれか。
選択肢
1 アルマ・アタ宣言
2 患者の権利宣言
3 ジュネーブ宣言
4 ヘルシンキ宣言
解答
正解4(ヘルシンキ宣言)
解説

ヒトを対象とした医学研究の倫理を定めたのはヘルシンキ宣言である。他の3つは、地域保健の理念・患者の権利・医師の誓いを定めた文書である。

この形の問いは、宣言の名前と内容の対応がついているかを見ている。ヘルシンキ宣言は、研究対象者の福利を研究から得られる利益より優先させ、倫理審査とインフォームド・コンセントを求める。とくに混同しやすいのがアルマ・アタ宣言で、こちらはプライマリヘルスケア(住民の参加と地域の資源を基礎とする基本的保健医療)の理念を述べたものである。インフォームド・コンセントをアルマ・アタ宣言に帰する記述は誤りとされており、研究も同意もヘルシンキ宣言の線で押さえておくとよい。

✗ 1. 誤り
アルマ・アタ宣言
プライマリヘルスケアの理念を述べた宣言である。すべての人々に健康をという目標のもと、住民の参加と地域の資源を基礎とする保健医療の普及をうたうもので、研究倫理の文書ではない。
✗ 2. 誤り
患者の権利宣言
良質の医療を受ける権利、選択の自由、自己決定の権利、情報を得る権利などを掲げた宣言である。診療の場での患者の権利を定めたもので、研究を対象とする規範ではない。
✗ 3. 誤り
ジュネーブ宣言
世界医師会が採択した、医師が職業に就くにあたって行う誓いを定めた宣言である。ヒポクラテスの誓いを現代的に表現したものとされ、研究の手続きを定めたものではない。
✓ 4. 正しい
ヘルシンキ宣言
世界医師会が採択した、人間を対象とする医学研究の倫理的原則の宣言である。研究の実施だけでなく、研究対象者から同意を得る手続き(インフォームド・コンセント)の国際的な出どころもこの宣言であって、アルマ・アタ宣言ではない。研究も同意もここに集まると押さえられるため、これが正解になる。
ポイント
  • ヒトを対象とした医学研究の倫理を定めたのはヘルシンキ宣言(世界医師会)。
  • アルマ・アタ宣言はプライマリヘルスケアの理念を述べた宣言で、研究倫理の文書ではない。
  • インフォームド・コンセントの国際的規範もヘルシンキ宣言であり、アルマ・アタ宣言に帰すのは誤り。
  • プライマリヘルスケア(地域保健の理念)とプライマリケア(初期医療)は別の語。
  • 重要用語: ヘルシンキ宣言, アルマ・アタ宣言, プライマリヘルスケア, ジュネーブ宣言, 患者の権利宣言 を正確に理解しておくこと。
比較表
文書定めた内容よくある混同
ヘルシンキ宣言ヒトを対象とする医学研究の倫理研究の同意もこちら
アルマ・アタ宣言プライマリヘルスケアの理念インフォームド・コンセントと結びつけない
患者の権利宣言患者の権利診療の場の権利で研究倫理ではない
ジュネーブ宣言医師の誓いヒポクラテスの誓いの現代版
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