学習トップ / 理由で解く 臨床医学総論 / 医療概論・衛生学・関係法規 第2章 ▸ 12. 疫学 / Q19A010

理由で解く 臨床医学総論

Q19A010 衛生学

出典:あマ指 第19回(2011) 問題10
問題
エビデンスのレベルが最も高いのはどれか。
選択肢
1 生態学的研究
2 症例対照研究
3 コホート研究
4 ランダム化比較試験
解答
正解4(ランダム化比較試験)
解説

4つのうちランダム化比較試験だけが、研究者が要因を無作為に割り付ける介入研究である。無作為割付けによって交絡を制御できるため、証拠(エビデンス)の質が最も高い。

生態学的研究・症例対照研究・コホート研究は、いずれも対象をありのままに観察する観察研究である。観察研究では、要因と疾病の双方に関連する第三の要因(交絡因子)が混じり込み、見かけの関連を生む可能性を完全には排除できない。ランダム化比較試験(RCT)は、対象者を無作為に介入群と対照群に割り付けるので、既知の交絡要因だけでなく、まだ知られていない要因まで両群に均等に分布することが期待でき、結果の差を介入の効果とみなしやすい。加えて盲検化(単盲検・二重盲検)を行えば、評価の際に生じる情報のかたよりも減らせる。ただし人を対象とする以上、インフォームド・コンセントなど倫理的配慮が不可欠である。

✗ 1. 誤り
生態学的研究
生態学的研究(地域相関研究)は、個人ではなく地域や国という集団を単位として要因と疾病の関連をみる観察研究である。無作為割付けを行わないため交絡を完全には除けず、個々人の曝露と発病の対応も確認できない。
✗ 2. 誤り
症例対照研究
症例対照研究は、疾病のある症例群とない対照群で過去の曝露を比較する観察研究である。無作為割付けを行わないため交絡が残り、過去の情報にさかのぼるので情報のかたよりも入りやすい。
✗ 3. 誤り
コホート研究
コホート研究は曝露群と非曝露群を追跡する観察研究で、曝露が先という時間の前後関係は明確である。しかし要因の有無は対象者の実際の状況に任されており、無作為割付けを行わないため交絡を完全には除けない。
✓ 4. 正しい
ランダム化比較試験
ランダム化比較試験は、対象者を無作為に介入群と対照群へ割り付ける介入研究である。無作為割付けにより既知・未知の交絡要因が両群へ均等に分布するため交絡を制御でき、選択肢のなかで最も証拠(エビデンス)の質が高い。
ポイント
  • この設問に並ぶような個々の研究デザインのなかでは、証拠(エビデンス)の質が最も高いのはランダム化比較試験(RCT)。理由は無作為割付けにより交絡を制御できるから。
  • 生態学的研究・症例対照研究・コホート研究はいずれも観察研究で、交絡を完全には除けない。
  • 交絡=要因と疾病の双方に関連する第三の要因が混じり、見かけの関連を生じること。かたより(バイアス)とは別の概念。
  • 盲検化(単盲検・二重盲検)は、評価における情報のかたよりを減らす工夫。
  • 重要用語: ランダム化比較試験(RCT), 無作為割付け, 交絡, かたより(バイアス), 観察研究 を正確に理解しておくこと。
比較表
研究デザイン研究者の関与交絡の制御
生態学的研究なし(集団単位で観察)難しい
症例対照研究なし(過去の曝露を調査)統計解析で一部のみ
コホート研究なし(追跡して観察)統計解析で一部のみ
ランダム化比較試験あり(無作為に割り付ける)既知・未知とも制御できる
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 臨床医学総論
App Store入手