学習トップ理由で解く 臨床医学各論第13章 ▸ H. 精神科疾患 / Q1483

理由で解く 臨床医学各論

Q1483 その他の領域

出典:鍼灸 第17回(2009) 問題64
問題
アルコール依存症の離脱症状として適切でないのはどれか。
選択肢
1 手指振戦
2 幻視
3 発汗
4 四肢のしびれ
解答
正解4(四肢のしびれ)
解説
✗ 1.
手指振戦
✗ 正しい。手指振戦はアルコール離脱の初期にみられる代表的な離脱症状である。断酒後数時間から出現し、自律神経の過活動に伴って生じる。重症化すると全身性の振戦に進展し、振戦せん妄に至ることがある。
✗ 2.
幻視
✗ 正しい。幻視はアルコール離脱症状の一つであり、特に振戦せん妄に伴って出現する。小動物幻視(虫や小動物が見えるという体験)が典型的であり、断酒後2〜3日で出現することが多い。振戦せん妄は重篤な離脱症状であり、意識障害を伴う。
✗ 3.
発汗
✗ 正しい。発汗はアルコール離脱における自律神経過活動の症状の一つである。離脱症状として「手指などの振戦、発汗、悪寒、起立や歩行などの困難、不眠、不安、抑うつ、脱力」がある。
✓ 4. 誤り
四肢のしびれ
四肢のしびれはアルコール依存症における慢性合併症としてのアルコール性末梢神経障害の症状である。長期の飲酒によるビタミンB1(チアミン)欠乏が原因で、慢性的に徐々に進行する。急性の離脱症状(断酒に伴い出現する症状)ではなく、離脱症状と慢性合併症を区別することが重要。
ポイント
  • アルコール依存症の離脱症状は断酒に伴い急性に出現する症状であり、手指振戦・発汗・悪寒・不眠・不安・抑うつ・脱力などがある。重症では振戦せん妄(小動物幻視・意識障害)をきたす。
  • 四肢のしびれは長期飲酒によるビタミンB1欠乏に起因するアルコール性末梢神経障害(慢性合併症)であり、急性の離脱症状とは区別される。
  • アルコール依存症の治療は断酒が必須であるが、断酒率は20〜30%と低い。本人を取り巻く周囲の人々の協力を得て断酒を励行させる。
  • 重要用語: 離脱症状、振戦せん妄、小動物幻視、アルコール性末梢神経障害、ビタミンB1欠乏 を正確に理解しておくこと。
比較表
分類 症状 発現時期
早期離脱症状 手指振戦、発汗、不安、不眠 断酒後6〜24時間
後期離脱症状 振戦せん妄、幻視(小動物幻視) 断酒後2〜3日
慢性合併症 四肢のしびれ(末梢神経障害) 長期飲酒による
解説画像
鍼灸 第17回(2009) 問題64|アルコール依存症の離脱症状として適切でないのはどれか。 解説図
鍼灸 第17回(2009) 問題64|アルコール依存症の離脱症状として適切でないのはどれか。
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