学習トップ理由で解く 臨床医学各論第13章 ▸ F. 眼科疾患 / Q1428

理由で解く 臨床医学各論

Q1428 その他の領域

出典:鍼灸 第30回(2022) 問題90
問題
「55歳の男性。強度近視。夕方デスクワーク中、右眼で黒く動く小さな糸くず状のものが見えた。」次第に症状は悪化し、右眼で下から上へ視野欠損も生じてきた。考えられる疾患はどれか。
選択肢
1 緑内障
2 白内障
3 網膜剥離
4 網膜色素変性症
解答
正解3(網膜剥離)
解説
✗ 1. 誤り
緑内障
緑内障でも視野欠損は生じるが、飛蚊症に続いて急速に視野欠損が進行する経過は緑内障には典型的でない。緑内障の視野障害は慢性的にゆっくり進行し、鼻側から欠損するのが特徴である。
✗ 2. 誤り
白内障
白内障は水晶体の混濁による視力低下であり、飛蚊症や急性の視野欠損は生じない。主症状はかすみ目やまぶしさであり、本症例の経過とは合致しない。
✓ 3. 正しい
網膜剥離
強度近視の患者に飛蚊症が出現し、次第に悪化して下方から上方へ視野欠損が生じた経過は網膜剥離を強く示唆する。強度近視は網膜剥離の重要なリスク因子であり、飛蚊症の急激な増悪は網膜裂孔・剥離の前駆症状となる。網膜が上方から剥離すると、剥離部位と反対側(下方)の視野から欠損が生じる。網膜剥離は放置すると失明に至るため、緊急の眼科的治療(手術)が必要である。
✗ 4. 誤り
網膜色素変性症
網膜色素変性症は遺伝性の網膜変性疾患であり、徐々に進行する夜盲と求心性視野狭窄が特徴である。飛蚊症から急速に視野欠損が進行する経過は網膜色素変性症には典型的でない。
ポイント
  • 飛蚊症の急激な増悪に続く視野欠損は網膜剥離を示唆する重要な所見であり、緊急の眼科受診が必要である。
  • 強度近視は網膜剥離の重要なリスク因子であり、網膜の剥離部位と反対側の視野が欠損する(上方剥離→下方視野欠損)。
  • 緑内障は慢性進行、白内障は視力低下が主体、網膜色素変性症は夜盲が特徴であり、経過と症状のパターンで鑑別する。
  • 重要用語: 網膜剥離, 飛蚊症, 強度近視, 視野欠損, 緊急手術 を正確に理解しておくこと。
比較表
疾患 発症経過 特徴的症状 治療
網膜剥離 急性 飛蚊症増悪→視野欠損 緊急手術
緑内障 慢性・緩徐 周辺視野狭窄 眼圧下降
白内障 慢性・緩徐 霧視・視力低下 水晶体摘出
網膜色素変性症 慢性・緩徐 夜盲・求心性視野狭窄 対症療法
解説画像
鍼灸 第30回(2022) 問題90|「55歳の男性。強度近視。夕方デスクワーク中、右眼で黒く動く小さな糸くず状のものが見えた。」次第に症状は悪化し、右眼で下から上へ視野欠損も生じてきた。考えられる疾患はどれか。 解説図
鍼灸 第30回(2022) 問題90|「55歳の男性。強度近視。夕方デスクワーク中、右眼で黒く動く小さな糸くず状のものが見えた。」次第に症状は悪化し、右眼で下から上へ視野欠損も生じてきた。考えられる疾患はどれか。
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