学習トップ理由で解く 臨床医学各論第13章 ▸ E. 皮膚科疾患 / Q1404

理由で解く 臨床医学各論

Q1404 その他の領域

出典:あマ指 第28回(2020) 問題68
問題
主に皮下結合組織に起こる急性化膿性炎症はどれか。
選択肢
1 アトピー性皮膚炎
2 脂漏性皮膚炎
3 じんま疹
4 蜂窩織炎
解答
正解4(蜂窩織炎)
解説
✗ 1. 誤り
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎はI型アレルギーに基づく慢性の掻痒性湿疹性皮膚疾患であり、急性化膿性炎症ではない。IgE抗体の産生亢進と皮膚バリア機能の低下が病態の主体であり、乳幼児期に発症し年齢により症状が変化する。感染症ではなく免疫異常に基づく慢性疾患である。
✗ 2. 誤り
脂漏性皮膚炎
脂漏性皮膚炎は皮脂分泌の多い部位(頭皮・顔面・耳介周囲・鼻唇溝など)に生じる慢性の炎症性皮膚疾患であり、急性化膿性炎症ではない。皮脂分泌異常とマラセチア真菌の関与が指摘されており、鱗屑を伴う紅斑が特徴的な慢性疾患である。
✗ 3. 誤り
じんま疹
じんま疹は主にI型アレルギー反応による一過性の真皮上層浮腫(膨疹)であり、急性化膿性炎症ではない。局所の発赤、かゆみを伴う膨疹で、数分から数時間後に跡形なく消失する、感染による化膿とは本質的に異なる。
✓ 4. 正しい
蜂窩織炎
蜂窩織炎(蜂巣炎、cellulitis)は主に皮下結合組織(皮下脂肪組織)に起こる急性のびまん性化膿性炎症である。主な原因菌はA群溶血性連鎖球菌と黄色ブドウ球菌であり、皮膚の小さな傷や亀裂から細菌が侵入して発症する。発赤・腫脹・熱感・疼痛が急速にびまん性に広がり、下肢に好発する。発熱や全身倦怠感を伴うことも多く、抗菌薬の全身投与が必要である。
ポイント
  • 蜂窩織炎は皮下結合組織に起こる急性びまん性化膿性炎症であり、A群溶血性連鎖球菌や黄色ブドウ球菌が原因で下肢に好発する。
  • アトピー性皮膚炎・脂漏性皮膚炎は慢性の非化膿性皮膚疾患、じんま疹は一過性の膨疹であり化膿性炎症ではない。
  • 皮膚の化膿性炎症には蜂窩織炎のほか、癤(せつ:毛嚢炎の深部化膿)や癰(よう:癤の集簇)、丹毒(真皮のリンパ管感染)がある。
  • 重要用語: 蜂窩織炎, 皮下結合組織, 急性化膿性炎症, 溶血性連鎖球菌, 黄色ブドウ球菌 を正確に理解しておくこと。
比較表
疾患 病態 炎症の性質 主な原因
蜂窩織炎 皮下結合組織のびまん性感染 急性化膿性 A群溶連菌、黄色ブドウ球菌
アトピー性皮膚炎 I型アレルギー、バリア機能低下 慢性非化膿性 アレルギー素因
脂漏性皮膚炎 皮脂分泌異常 慢性非化膿性 マラセチア真菌
じんま疹 真皮上層の一過性浮腫 非化膿性 アレルギー、物理的刺激
解説画像
あマ指 第28回(2020) 問題68|主に皮下結合組織に起こる急性化膿性炎症はどれか。 解説図
あマ指 第28回(2020) 問題68|主に皮下結合組織に起こる急性化膿性炎症はどれか。
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