学習トップ理由で解く 臨床医学各論第13章 ▸ C. 麻酔科 / Q1350

理由で解く 臨床医学各論

Q1350 その他の領域

出典:鍼灸 第10回(2002) 問題77
問題
悪性腫瘍による痛みの治療で正しい組合せはどれか。
選択肢
1 上顎癌 ― くも膜下腔ブロック
2 舌癌 ― 顔面神経ブロック
3 子宮癌 ― 閉鎖神経ブロック
4 膵臓癌 ― 腹腔神経叢ブロック
解答
正解4(膵臓癌 ― 腹腔神経叢ブロック)
解説
✗ 1. 誤り
上顎癌 ― くも膜下腔ブロック
上顎癌の疼痛には三叉神経(上顎神経V2)ブロックが適切であり、くも膜下腔ブロックではない。 上顎領域の知覚は三叉神経第2枝が支配しており、この神経のブロックで除痛効果が得られる。 くも膜下腔ブロックは脊髄レベルでの広範な鎮痛に用いられるものであり、顔面の限局的疼痛には不適切である。
✗ 2. 誤り
舌癌 ― 顔面神経ブロック
舌癌の疼痛には舌咽神経ブロックや舌神経ブロックが適切である。 顔面神経は主に表情筋を支配する運動神経であり、舌の知覚を伝達する神経ではないため、舌癌の疼痛管理には不適切である。 舌の知覚は主に三叉神経第3枝(舌神経)と舌咽神経が担当する。
✗ 3. 誤り
子宮癌 ― 閉鎖神経ブロック
子宮癌の疼痛には下腹神経叢ブロックや仙骨硬膜外ブロックが適切であり、閉鎖神経ブロックではない。 閉鎖神経は大腿内転筋群を支配する神経であり、子宮の痛覚伝達には関与しないため、子宮癌の除痛には適さない。
✓ 4. 正しい
膵臓癌 ― 腹腔神経叢ブロック
膵臓癌の疼痛管理には腹腔神経叢ブロック(内臓神経ブロック)が有効である。 膵臓の痛覚は腹腔神経叢を経由して伝達されるため、このブロックにより効果的な除痛が得られる。 膵臓癌は進行すると腹腔神経叢に浸潤して強い背部痛を生じるため、疼痛管理が治療上の重要課題となる。
ポイント
  • 膵臓癌の疼痛には腹腔神経叢ブロックが有効であり、癌性疼痛の緩和に広く用いられる
  • 各悪性腫瘍の疼痛部位と対応する神経ブロックの組合せ: 上顎癌=三叉神経ブロック、舌癌=舌咽神経ブロック、膵臓癌=腹腔神経叢ブロック
  • 顔面神経は運動神経が主体であり、疼痛伝達には関与しない。閉鎖神経は大腿内転筋支配であり子宮とは無関係である
  • 重要用語: 腹腔神経叢ブロック, 三叉神経第2枝, 舌咽神経, 癌性疼痛の管理 を正確に理解しておくこと。
比較表
悪性腫瘍 適切な神経ブロック 不適切な神経ブロック(誤りの選択肢)
上顎癌 三叉神経(V2)ブロック くも膜下腔ブロック
舌癌 舌咽神経ブロック 顔面神経ブロック
子宮癌 下腹神経叢ブロック 閉鎖神経ブロック
膵臓癌 腹腔神経叢ブロック (正しい組合せ)
解説画像
鍼灸 第10回(2002) 問題77|悪性腫瘍による痛みの治療で正しい組合せはどれか。 解説図
鍼灸 第10回(2002) 問題77|悪性腫瘍による痛みの治療で正しい組合せはどれか。
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