学習トップ理由で解く 臨床医学各論第13章 ▸ B. 一般外科 / Q1346

理由で解く 臨床医学各論

Q1346 その他の領域

出典:あマ指 第19回(2011) 問題89
問題
熱傷について正しい記述はどれか。
選択肢
1 低温熱傷は第1 度である。
2 全層熱傷は第2 度である。
3 熱傷面積は重症度の判定に用いられる。
4 重症熱傷では循環血漿量が増加する。
解答
正解3(熱傷面積は重症度の判定に用いられる)
解説
✗ 1. 誤り
低温熱傷は第1 度である。
低温熱傷は湯たんぽやカイロなど44〜50℃程度の比較的低温の熱源に長時間接触して生じるものである。表面は軽度に見えても深部まで損傷が及んでおり、実際にはII度深達性〜III度(全層熱傷)に相当することが多い。I度にとどまることは少なく、見た目の軽さに反して深達性であることが臨床上の注意点である。
✗ 2. 誤り
全層熱傷は第2 度である。
全層熱傷(皮膚全層の凝固壊死)はIII度熱傷に分類される。III度熱傷: 皮膚全層の凝固壊死で創面は蒼白・乾燥し水疱形成や痛覚はない。II度熱傷は真皮に達する損傷で水疱形成が特徴であるが、全層には至らない。III度では羊皮紙様で時に炭化し、無痛である。
✓ 3. 正しい
熱傷面積は重症度の判定に用いられる。
熱傷はその深達度と範囲の両方によって重症度が決まり、症状も異なる。熱傷面積は「9の法則」や「手掌法」で受傷面積を体表面積に対する割合として算出する。II度以上の熱傷が体表面積の15%を超えるとショックの危険性が高まり、広範囲熱傷として早期の輸液療法が必要となる。
✗ 4. 誤り
重症熱傷では循環血漿量が増加する。
重症熱傷では血管透過性が亢進し、大量の血漿成分が血管外(組織間質)へ漏出するため、循環血漿量は増加ではなく減少する。も広範囲熱傷では十分な点滴と新鮮凍結血漿、ヘスパンダー、低分子デキストランなどの輸液を要するであり、循環血液量の補充が必須である。
ポイント
  • 熱傷の重症度は「受傷面積」と「深達度」の両方で判定される。面積は9の法則や手掌法で算出する。
  • 低温熱傷は見た目の軽さに反して深達性(III度相当)であることを知っておくこと。
  • 重症熱傷では循環血漿量が「減少」する。血管透過性亢進による血漿漏出がその機序である。
  • 重要用語: 熱傷面積、9の法則、低温熱傷、循環血漿量減少 を正確に理解しておくこと。
比較表
熱傷深達度 損傷レベル 臨床症状 治癒期間
I度 表皮基底層の炎症 発赤・浮腫・疼痛 数日
浅達性II度 真皮中層まで 水疱形成・強い疼痛 1〜2週間
深達性II度 真皮下層まで 水疱・知覚鈍麻 3〜4週間
III度 皮膚全層〜皮下組織 蒼白・乾燥・無痛 1〜数か月
解説画像
あマ指 第19回(2011) 問題89|熱傷について正しい記述はどれか。 解説図
あマ指 第19回(2011) 問題89|熱傷について正しい記述はどれか。
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