学習トップ理由で解く 臨床医学各論第11章 ▸ J. 神経痛 / Q1219

理由で解く 臨床医学各論

Q1219 神経疾患

出典:あマ指 第3回(1995) 問題94
問題
疾患と治療法との組合せで誤っているのはどれか。
選択肢
1 癌性疼痛 ― クモ膜下フェノールブロック
2 坐骨神経痛 ― 星状神経節ブロック
3 五十肩 ― 肩甲上神経ブロック
4 三叉神経痛 ― 上顎神経ブロック
解答
正解2(坐骨神経痛 - 星状神経節ブロック)
解説
✗ 1.
癌性疼痛 ― クモ膜下フェノールブロック
✗ 正しい。癌性疼痛に対するクモ膜下フェノールブロックは、フェノールにより神経を化学的に破壊(神経破壊術)して難治性の疼痛を緩和する治療法である。 終末期の激しい癌性疼痛に対して有効な方法であり、正しい組合せである。 フェノールのほかアルコールも神経破壊薬として使用されることがある。
✓ 2. 誤り
坐骨神経痛 ― 星状神経節ブロック
坐骨神経痛に対して星状神経節ブロックは適応ではない。星状神経節は頸部の交感神経節であり、ブロックにより頭頸部・上肢の血流改善や疼痛緩和に有効であるが、腰下肢の坐骨神経痛には効果がない。 坐骨神経痛には硬膜外ブロック、仙骨部硬膜外ブロック、坐骨神経ブロックなどが適応となる。 星状神経節ブロックの効果範囲は頭頸部・上肢に限定されるため、下肢の疼痛には無効である。
✗ 3.
五十肩 ― 肩甲上神経ブロック
✗ 正しい。五十肩(肩関節周囲炎)に対する肩甲上神経ブロックは有効な治療法である。 肩甲上神経は肩関節の知覚の約70%を支配しており、ブロックにより効果的な除痛と可動域改善が期待できる。正しい組合せである。 ステロイドの局注を併用することでさらに効果が高まる。
✗ 4.
三叉神経痛 ― 上顎神経ブロック
✗ 正しい。三叉神経痛の第2枝(上顎神経)痛に対しては上顎神経ブロックが適応となる。 テグレトール(カルバマゼピン)による薬物療法が無効な場合に選択される治療法であり、正しい組合せである。 薬物療法が第一選択であるが、薬物抵抗性の場合は神経ブロックや微小血管減圧術(ジャネッタ手術)が検討される。
ポイント
  • 星状神経節ブロックは頭頸部・上肢の疾患(顔面神経麻痺・帯状疱疹後神経痛・CRPS・突発性難聴など)に適応があり、腰下肢の坐骨神経痛には用いない。
  • 坐骨神経痛には硬膜外ブロックが適応であり、星状神経節ブロックとの適応の違いを整理する。
  • 疾患と治療法の対応は「神経の走行・支配領域」から論理的に判断できるようにしておく。
  • 重要用語: 星状神経節ブロック, 坐骨神経痛, 硬膜外ブロック, 肩甲上神経ブロック を正確に理解しておくこと。
比較表
疾患 適応される治療法 適応の有無
癌性疼痛 クモ膜下フェノールブロック 適応あり(正しい組合せ)
坐骨神経痛 星状神経節ブロック 適応なし(誤った組合せ)
坐骨神経痛 硬膜外ブロック・坐骨神経ブロック 適応あり(正しい組合せ)
五十肩 肩甲上神経ブロック 適応あり(正しい組合せ)
三叉神経痛 上顎神経ブロック 適応あり(正しい組合せ)
解説画像
あマ指 第3回(1995) 問題94|疾患と治療法との組合せで誤っているのはどれか。 解説図
あマ指 第3回(1995) 問題94|疾患と治療法との組合せで誤っているのはどれか。
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