学習トップ理由で解く 臨床医学各論第11章 ▸ H. 運動ニューロン疾患 / Q1181

理由で解く 臨床医学各論

Q1181 神経疾患

出典:鍼灸 第29回(2021) 問題53
問題
筋萎縮性側索硬化症に特徴的なのはどれか。
選択肢
1 膀胱直腸障害
2 褥瘡
3 嚥下障害
4 眼球運動障害
解答
正解3(嚥下障害)
解説
✗ 1. 誤り
膀胱直腸障害
膀胱直腸障害はALSの陰性4徴候の一つであり、通常みられない。 ALSでは自律神経系が保たれるため、排尿・排便機能は維持される。膀胱直腸障害の出現は多系統萎縮症など他の疾患を鑑別する手がかりとなる。
✗ 2. 誤り
褥瘡
褥瘡はALSの陰性4徴候の一つであり、通常みられない。 ALSでは感覚が保たれているため体位変換の必要性を自覚でき、また皮膚の栄養障害も少ないため褥瘡は生じにくい。長期臥床の脊髄損傷とは対照的である。
✓ 3. 正しい
嚥下障害
嚥下障害はALSに特徴的な球麻痺症状の一つである。 延髄の運動ニューロンが障害されることで舌・咽頭・喉頭の筋群が麻痺し、嚥下困難や構音障害をきたす。約25%の症例で球麻痺が初発症状となり、進行すると誤嚥性肺炎のリスクが高まるため、経管栄養や胃瘻造設が必要となる。
✗ 4. 誤り
眼球運動障害
眼球運動障害はALSの陰性4徴候の一つであり、通常みられない。 外眼筋を支配する動眼・滑車・外転神経核は最後まで保たれ、長期人工呼吸器装着例でのみ出現しうる。閉じ込め症候群との鑑別にも重要。
ポイント
  • ALSの陰性4徴候は「感覚障害」「膀胱直腸障害」「眼球運動障害」「褥瘡」であり、これらはALSでは通常みられない
  • 嚥下障害・構音障害は球麻痺症状としてALSに特徴的であり、呼吸筋麻痺とともに生命予後を左右する重要な症状である
  • 発症後の平均生存期間は約3年であり、球麻痺型では1~2年とさらに短い
  • 重要用語: ALS, 嚥下障害, 球麻痺, 陰性4徴候 を正確に理解しておくこと。
比較表
陰性4徴候 みられない理由
感覚障害 感覚神経が選択的に温存される
膀胱直腸障害 自律神経系(オヌフ核)が保たれる
眼球運動障害 外眼筋支配の脳神経核が温存される
褥瘡 感覚保持・皮膚栄養障害なし
解説画像
鍼灸 第29回(2021) 問題53|筋萎縮性側索硬化症に特徴的なのはどれか。 解説図
鍼灸 第29回(2021) 問題53|筋萎縮性側索硬化症に特徴的なのはどれか。
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 臨床医学各論
App Store入手