学習トップ理由で解く 臨床医学各論第11章 ▸ H. 運動ニューロン疾患 / Q1180

理由で解く 臨床医学各論

Q1180 神経疾患

出典:鍼灸 第23回(2015) 問題58
問題
筋萎縮性側索硬化症でみられるのはどれか。
選択肢
1 膀胱直腸障害
2 感覚障害
3 嚥下障害
4 眼球運動障害
解答
正解3(嚥下障害)
解説
✗ 1. 誤り
膀胱直腸障害
膀胱直腸障害はALSの陰性4徴候の一つであり、通常みられない。 自律神経系は保たれるため、排尿・排便機能は末期まで維持される。膀胱直腸障害の出現は多系統萎縮症など他の疾患を示唆する所見である。
✗ 2. 誤り
感覚障害
感覚障害はALSの陰性4徴候の一つであり、通常みられない。 ALSでは運動ニューロンが選択的に変性し、感覚神経は保たれる。しびれや痛覚鈍麻は認められない。感覚障害の存在は他の疾患(頚椎症性筋萎縮症など)との鑑別点となる。
✓ 3. 正しい
嚥下障害
嚥下障害はALSの球麻痺症状として進行例でよくみられる。 延髄の運動ニューロン(舌下神経核・疑核など)が障害されることで、咽頭・喉頭・舌の筋群が障害され嚥下困難をきたす。約25%の症例で球麻痺(ろれつ不良、食事時のむせ)が初発症状となり、進行すると経管栄養や胃瘻造設が必要となる。
✗ 4. 誤り
眼球運動障害
眼球運動障害はALSの陰性4徴候の一つであり、通常みられない。 外眼筋を支配する動眼神経核・滑車神経核・外転神経核は最後まで保たれる。人工呼吸器装着下の超長期生存例でのみ出現しうる。
ポイント
  • ALSでは嚥下障害(球麻痺)がみられるが、感覚障害・膀胱直腸障害・眼球運動障害・褥瘡は陰性4徴候としてみられない
  • 選択肢に陰性4徴候が3つ並んでいる問題は頻出パターンであり、残る1つがALSでみられる症候となる
  • 球麻痺は呼吸筋麻痺とともに生命予後を左右する重要な症状であり、発症後の平均生存期間は約3年である
  • 重要用語: ALS, 嚥下障害, 球麻痺, 陰性4徴候 を正確に理解しておくこと。
比較表
ALSでみられる症候 ALSの陰性4徴候(みられない)
筋萎縮・筋力低下 感覚障害
線維束攣縮 膀胱直腸障害
腱反射亢進・バビンスキー徴候 眼球運動障害
嚥下障害・構音障害(球麻痺) 褥瘡
解説画像
鍼灸 第23回(2015) 問題58|筋萎縮性側索硬化症でみられるのはどれか。 解説図
鍼灸 第23回(2015) 問題58|筋萎縮性側索硬化症でみられるのはどれか。
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