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理由で解く 臨床医学各論

Q1171 神経疾患

出典:鍼灸 第29回(2021) 問題52
問題
デュシェンヌ型筋ジストロフィーについて正しいのはどれか。
選択肢
1 女性に多い。
2 腓腹筋の仮性肥大がみられる。
3 血清 CK 値は正常である。
4 関節拘縮のため踵足になる。
解答
正解2(腓腹筋の仮性肥大がみられる。)
解説
✗ 1. 誤り
女性に多い。
デュシェンヌ型筋ジストロフィーはX連鎖劣性(伴性劣性)遺伝であり、ほぼ男性(男児)にのみ発症する。 約3,000〜4,000男児出生に1人の頻度で発生し、筋ジストロフィーの中で最も頻度が高い。女性は保因者となるが通常発症しない。
✓ 2. 正しい
腓腹筋の仮性肥大がみられる。
デュシェンヌ型筋ジストロフィーでは腓腹筋の仮性肥大がみられる。 筋線維が壊死・変性し脂肪組織や結合組織に置換されるが、外見上は腓腹部が肥大して見える。実際には筋力は低下しており「仮性」肥大と呼ばれる。登攀性起立(ガワーズ徴候)とともに本疾患の最も特徴的な所見である。
✗ 3. 誤り
血清 CK 値は正常である。
デュシェンヌ型筋ジストロフィーでは血清CK値は著明に上昇する(正常の10倍以上)。 筋線維の壊死・崩壊により細胞内のCKが血中に放出されるためである。CK高値は発症前の新生児期から認められ、早期診断やスクリーニングの手がかりとなる。
✗ 4. 誤り
関節拘縮のため踵足になる。
デュシェンヌ型筋ジストロフィーでは関節拘縮により尖足(足関節底屈位拘縮)をきたす。 アキレス腱が短縮して足関節が底屈位に固定されるもので、踵足(背屈位拘縮)とは逆方向の変形である。尖足と踵足の混同は頻出の誤答パターンである。
ポイント
  • 腓腹筋の仮性肥大は脂肪・結合組織への置換により外見上肥大して見えるが実際の筋力は低下している
  • デュシェンヌ型はX連鎖劣性遺伝で男児に発症し、血清CK値は発症前から著明に上昇する
  • 関節拘縮による変形は「尖足」が正しく「踵足」は誤りである。この混同は国試でも頻出パターンである
  • 重要用語: 腓腹筋仮性肥大, 尖足と踵足の区別, 血清CK著明上昇, X連鎖劣性遺伝 を正確に理解しておくこと。
比較表
選択肢の記述 正誤 正しい知識
女性に多い 誤り 男児にのみ発症(X連鎖劣性遺伝)
腓腹筋の仮性肥大 正しい 脂肪・結合組織への置換による
血清CK値は正常 誤り 著明上昇(正常の10倍以上)
踵足になる 誤り 尖足(底屈位拘縮)が正しい
解説画像
鍼灸 第29回(2021) 問題52|デュシェンヌ型筋ジストロフィーについて正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第29回(2021) 問題52|デュシェンヌ型筋ジストロフィーについて正しいのはどれか。
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