学習トップ理由で解く 臨床医学各論第11章 ▸ F. 認知症性疾患 / Q1144

理由で解く 臨床医学各論

Q1144 神経疾患

出典:鍼灸 第12回(2004) 問題87
問題
伝染力のある痴呆性疾患はどれか。
選択肢
1 ビンスワンゲル病
2 ピック病
3 クロイツフェルト・ヤコブ病
4 正常圧水頭症
解答
正解3(クロイツフェルト・ヤコブ病)
解説
✗ 1. 誤り
ビンスワンゲル病
ビンスワンゲル病は皮質下白質の虚血性変化(小血管病変)による血管性認知症であり、感染性はない。高血圧が危険因子で、MRIで深部白質にびまん性の高信号域を認める。緩徐に進行する認知症、歩行障害、偽性球麻痺が特徴的である。
✗ 2. 誤り
ピック病
ピック病は前頭葉・側頭葉の限局性萎縮による変性疾患(前頭側頭型認知症)であり、感染性はない。病初期から人格変化・行動異常が目立ち、記憶は比較的保たれる。病理学的にピック小体を認める。
✓ 3. 正しい
クロイツフェルト・ヤコブ病
クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)はプリオン(異常プリオン蛋白PrPSc)による感染性の疾患であり、急速に進行する認知症、ミオクローヌス、脳波での周期性同期性放電(PSD)を特徴とする。発症から数ヶ月で無動性無言状態に至り、多くは1〜2年以内に死亡する。医原性感染(汚染された脳硬膜移植、角膜移植、成長ホルモン投与)や変異型CJD(牛海綿状脳症BSEとの関連)があり、伝染力を有する。プリオンは通常のオートクレーブ滅菌(121度C、20分)では不活化されず、特殊な処理(3%SDS煮沸、1N NaOH)が必要である。
✗ 4. 誤り
正常圧水頭症
正常圧水頭症は認知症・歩行障害(小刻み歩行)・尿失禁を三徴とする治療可能な認知症であり、感染性はない。CT/MRIで脳室拡大を認め、シャント術により症状改善が期待できる。
ポイント
  • クロイツフェルト・ヤコブ病はプリオン病の代表で唯一の感染性認知症である
  • プリオンは通常の滅菌法では不活化されず、医療器具の汚染に注意が必要
  • 急速進行性認知症(数ヶ月以内)、ミオクローヌス、脳波のPSDが診断の三徴
  • 重要用語: クロイツフェルト・ヤコブ病, プリオン, 感染性, ミオクローヌス を正確に理解しておくこと。
比較表
疾患 病因 進行速度 感染性
ビンスワンゲル病 血管性(小血管病変) 緩徐 なし
ピック病 変性(前頭側頭葉) 緩徐 なし
クロイツフェルト・ヤコブ病 プリオン 急速 あり
正常圧水頭症 髄液吸収障害 緩徐 なし
解説画像
鍼灸 第12回(2004) 問題87|伝染力のある痴呆性疾患はどれか。 解説図
鍼灸 第12回(2004) 問題87|伝染力のある痴呆性疾患はどれか。
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