学習トップ理由で解く 臨床医学各論第11章 ▸ D. 基底核変性疾患 / Q1121

理由で解く 臨床医学各論

Q1121 神経疾患

出典:あマ指 第24回(2016) 問題75
問題
「70歳の男性。右手足がふるえ、動作が緩慢となり受診した。顔面は無表情で、立位では前かがみであった。認知症はない。」本疾患にみられる身体所見はどれか。
選択肢
1 固縮
2 強直
3 痙縮
4 けいれん
解答
正解1(固縮)
解説
✓ 1. 正しい
固縮
固縮(筋強剛、rigidity)はパーキンソン病の四大症状の一つであり、筋の被動時に持続的な抵抗が感じられる。歯車様固縮(歯車を回すようなカクカクとした断続的な抵抗)と鉛管様固縮(鉛管を曲げるような一定の抵抗)がある。歯車様固縮は振戦が重畳して生じるもので、パーキンソン病にもっとも特徴的な所見である。他動運動の速度に関係なく、運動全体にわたって一定の抵抗がみられる。
✗ 2. 誤り
強直
強直(ankylosis)は関節の線維性または骨性癒合により関節が不動化した状態であり、筋緊張の異常ではない。関節リウマチや強直性脊椎炎などでみられ、パーキンソン病の固縮とは全く異なる病態である。
✗ 3. 誤り
痙縮
痙縮(spasticity)は錐体路(上位運動ニューロン)障害による筋緊張亢進であり、他動運動の速度に依存し、急速な伸展時に強い抵抗がみられる(折りたたみナイフ現象)。パーキンソン病は錐体外路障害であり、痙縮ではなく固縮を呈する。
✗ 4. 誤り
けいれん
けいれん(convulsion)はてんかんや電解質異常、低血糖などでみられる不随意的な筋収縮であり、パーキンソン病の主要所見ではない。
ポイント
  • パーキンソン病の固縮は錐体外路障害による筋緊張亢進で、歯車様固縮・鉛管様固縮がある
  • 痙縮は錐体路障害(折りたたみナイフ現象)、固縮は錐体外路障害(持続的抵抗)
  • 強直は関節の癒合、けいれんはてんかんなどの症状であり、固縮とは異なる
  • 重要用語: 固縮, 痙縮, 歯車様固縮, 鉛管様固縮, 折りたたみナイフ現象 を正確に理解しておくこと。
比較表
筋緊張異常 障害部位 特徴 代表的疾患
固縮(rigidity) 錐体外路 持続的な一定の抵抗、歯車様・鉛管様 パーキンソン病
痙縮(spasticity) 錐体路 速度依存性の抵抗、折りたたみナイフ現象 脳卒中、脊髄損傷
解説画像
あマ指 第24回(2016) 問題75|「70歳の男性。右手足がふるえ、動作が緩慢となり受診した。顔面は無表情で、立位では前かがみであった。認知症はない。」本疾患にみられる身体所見はどれか。 解説図
あマ指 第24回(2016) 問題75|「70歳の男性。右手足がふるえ、動作が緩慢となり受診した。顔面は無表情で、立位では前かがみであった。認知症はない。」本疾患にみられる身体所見はどれか。
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