学習トップ理由で解く 臨床医学各論第9章 ▸ D. 血圧異常 / Q0969

理由で解く 臨床医学各論

Q0969 循環器疾患

出典:鍼灸 第12回(2004) 問題78
問題
高血圧症の臨床所見でみられないのはどれか。
選択肢
1 蛋白尿
2 心肥大
3 血中ナトリウム上昇
4 眼底細動脈狭細
解答
正解3(血中ナトリウム上昇)
解説
✗ 1.
蛋白尿
✗ 正しい。蛋白尿は高血圧による腎障害(高血圧性腎硬化症)の所見として出現する。長期にわたる高血圧は腎臓の細小動脈を障害し、糸球体硬化を引き起こすことで蛋白尿が出現する。微量アルブミン尿は高血圧性腎障害の早期マーカーとして重要である。
✗ 2.
心肥大
✗ 正しい。心肥大(特に左室肥大)は高血圧による後負荷の増大に対する代償機転として生じる。心臓は持続的な圧負荷に対抗して心筋が肥厚(求心性肥大)し、心電図で左室肥大所見が認められるようになる。高血圧性心肥大は心不全の危険因子でもある。
✓ 3. 誤り
血中ナトリウム上昇
血中ナトリウム(血清Na)の上昇は高血圧症の特徴的な臨床所見ではない。高血圧患者では食塩(ナトリウム)の過剰摂取が問題となるが、腎臓のナトリウム排泄調節機能により血中ナトリウム濃度は通常正常範囲に維持される。高血圧の臓器障害として認められるのは蛋白尿(腎障害)、心肥大(心障害)、眼底変化(血管障害)である。
✗ 4.
眼底細動脈狭細
✗ 正しい。眼底細動脈の狭細化は高血圧性眼底変化の特徴的所見である。Keith-Wagener(KW)分類により眼底変化の程度を評価する。I度は軽度の細動脈狭細、II度は動静脈交叉現象、III度は出血・白斑、IV度はうっ血乳頭を伴う。眼底検査は高血圧の臓器障害評価に不可欠である。
ポイント
  • 高血圧の三大臓器障害:腎障害(蛋白尿、腎硬化症)、心障害(左室肥大、心不全)、血管障害(眼底変化、動脈硬化)。血中ナトリウム上昇は高血圧の臨床所見ではない。
  • 高血圧は脳出血、脳梗塞、虚血性心疾患の主要な危険因子であり、臓器障害の評価が重要。
  • 重要用語: 高血圧性臓器障害, 蛋白尿, 左室肥大, 眼底変化, KW分類 を正確に理解しておくこと。
比較表
臓器障害 臨床所見 検査・評価法
腎障害 蛋白尿(腎硬化症) 尿検査、微量アルブミン
心障害 左室肥大(求心性肥大) 心電図、心エコー
血管障害 眼底細動脈狭細 眼底検査(KW分類)
脳血管障害 脳出血、脳梗塞 CT、MRI
解説画像
鍼灸 第12回(2004) 問題78|高血圧症の臨床所見でみられないのはどれか。 解説図
鍼灸 第12回(2004) 問題78|高血圧症の臨床所見でみられないのはどれか。
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