学習トップ理由で解く 臨床医学各論第9章 ▸ C. 動脈疾患 / Q0955

理由で解く 臨床医学各論

Q0955 循環器疾患

出典:鍼灸 第19回(2011) 問題79
問題
「78歳の男性。5年前に高血圧を指摘されたが、自覚症状がないため放置していた。早朝、安静時に突然強い胸背部痛が出現し、救急搬送された。その際に胸部エックス線検査で上縦隔の著明な拡大を認めたが、心電図上有意な変化はみられなかった。」本疾患の診断のため、直ちに施行すべき検査はどれか。
選択肢
1 24 時間ホルター心電図
2 運動負荷心筋シンチ
3 胸腹部造影CT
4 気管支内視鏡
解答
正解3(胸腹部造影CT)
解説
✗ 1. 誤り
24 時間ホルター心電図
24時間ホルター心電図は不整脈の種類や頻度を評価するための検査であり、不整脈の診断に有用である。本症例のように突然の激烈な胸背部痛と上縦隔拡大から大動脈解離が疑われる場合には、大動脈の形態評価が必要であり、ホルター心電図は不適切である。
✗ 2. 誤り
運動負荷心筋シンチ
運動負荷心筋シンチは冠動脈の虚血を評価する検査であり、狭心症や心筋梗塞が疑われる場合に用いる。大動脈解離が疑われる急性期に運動負荷をかけることは血圧上昇を招き、解離の進展や破裂のリスクを高めるため禁忌である。
✓ 3. 正しい
胸腹部造影CT
胸腹部造影CTは大動脈解離の確定診断に最も有用な検査である。解離腔の部位・範囲の評価が可能であり、真腔と偽腔の区別、エントリー(内膜亀裂部)の位置、臓器虚血の有無なども判定できる。本症例は高血圧の既往がある高齢男性に突然の胸背部痛と上縦隔拡大を認め、心電図変化がないことから大動脈解離が最も疑われ、造影CTを直ちに施行すべきである。
✗ 4. 誤り
気管支内視鏡
気管支内視鏡は気管支の内腔を観察する検査で、肺癌や気管支病変の診断に用いられる。大動脈の病変を評価することはできず、大動脈解離の診断には不適切である。
ポイント
  • 突然の激烈な胸背部痛+上縦隔拡大+心電図変化なし、という組み合わせは大動脈解離を強く示唆する。大動脈解離の画像診断には胸腹部造影CTが第一選択であり、解離の範囲や分類(Stanford分類)の判定に必須である。
  • 大動脈解離と急性心筋梗塞の鑑別が重要。心筋梗塞では心電図変化(ST上昇、異常Q波など)を認めるが、大動脈解離では心電図変化を認めないことが多い。
  • 大動脈解離の危険因子は高血圧、動脈硬化、マルファン症候群、ベーチェット病などであり、60歳以上の男性に多い。
  • 重要用語: 大動脈解離, 胸腹部造影CT, Stanford分類, DeBakey分類 を正確に理解しておくこと。
解説画像
鍼灸 第19回(2011) 問題79|「78歳の男性。5年前に高血圧を指摘されたが、自覚症状がないため放置していた。早朝、安静時に突然強い胸背部痛が出現し、救急搬送された。その際に胸部エックス線検査で上縦隔の著明な拡大を認めたが、心電図上有意な変化はみられなかった。」本疾患の診断のため、直ちに施行すべき検査はどれか。 解説図
鍼灸 第19回(2011) 問題79|「78歳の男性。5年前に高血圧を指摘されたが、自覚症状がないため放置していた。早朝、安静時に突然強い胸背部痛が出現し、救急搬送された。その際に胸部エックス線検査で上縦隔の著明な拡大を認めたが、心電図上有意な変化はみられなかった。」本疾患の診断のため、直ちに施行すべき検査はどれか。
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 臨床医学各論
App Store入手