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理由で解く 臨床医学各論

Q0952 循環器疾患

出典:あマ指 第34回(2026) 問題59
問題
急性心筋梗塞について最も適切なのはどれか。
選択肢
1 痛みを伴わない症例がある。
2 心筋壊死を伴わない症例がある。
3 冠状動脈血流の遮断を伴わない症例がある。
4 心電図異常を伴わない症例がある。
解答
正解1(痛みを伴わない症例がある)
解説
✓ 1. 正しい
痛みを伴わない症例がある。
急性心筋梗塞には痛みを伴わない症例(無痛性心筋梗塞)がある。特に糖尿病患者では自律神経障害(糖尿病性神経障害)により胸痛を感じにくくなり、無痛性心筋梗塞の頻度が高い。また高齢者でも無痛性のことがある。無痛性心筋梗塞は発見が遅れやすく、予後不良となりやすい。
✗ 2. 誤り
心筋壊死を伴わない症例がある。
急性心筋梗塞は定義上、心筋の虚血性壊死を伴う疾患である。冠動脈の閉塞により心筋への血流が途絶え、30分以上の血管閉塞で不可逆的な心筋壊死が生じる。心筋壊死を伴わない場合は狭心症であり、心筋梗塞とは区別される。血液検査でトロポニンTやCK-MBの上昇が心筋壊死の指標となる。
✗ 3. 誤り
冠状動脈血流の遮断を伴わない症例がある。
急性心筋梗塞は冠状動脈の血流遮断(閉塞)により発症する。冠動脈のアテローム硬化巣(脂質性プラーク)が破綻し、血栓が形成されて完全閉塞することが主な機序である。血流遮断がなければ心筋壊死は生じず、心筋梗塞には至らない。
✗ 4. 誤り
心電図異常を伴わない症例がある。
急性心筋梗塞では心電図異常が認められる。ST上昇(超急性期のST上昇型心筋梗塞:STEMI)が典型的であり、その後異常Q波の出現、T波の陰転化と経時的変化を示す。心電図は心筋梗塞の診断に不可欠な検査である。初期には約半数で明らかでない場合もあるが、経過を追うと異常所見が出現する。
ポイント
  • 急性心筋梗塞には無痛性のものがあり、特に糖尿病患者(自律神経障害)や高齢者で多い。発見の遅れが予後を悪化させる。
  • 心筋梗塞は心筋壊死を伴う疾患であり、壊死を伴わないのは狭心症である。この定義の違いを正確に理解する。
  • 心電図ではST上昇→異常Q波→T波陰転化と経時的変化を示す。血液検査ではトロポニンT、CK、ミオグロビンなどが上昇する。
  • 重要用語: 無痛性心筋梗塞, ST上昇, 異常Q波, トロポニンT を正確に理解しておくこと。
比較表
検査マーカー 上昇開始時間 特徴
ミオグロビン 1〜4時間 最も早期に上昇
CK(CK-MB) 4〜6時間 心筋壊死の代表的指標
トロポニンT 3〜12時間 特異性が高い
AST(GOT)・LDH 6〜12時間 上昇はやや遅い
解説画像
あマ指 第34回(2026) 問題59|急性心筋梗塞について最も適切なのはどれか。 解説図
あマ指 第34回(2026) 問題59|急性心筋梗塞について最も適切なのはどれか。
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