学習トップ理由で解く 臨床医学各論第9章 ▸ B. 冠動脈疾患 / Q0951

理由で解く 臨床医学各論

Q0951 循環器疾患

出典:鍼灸 第31回(2023) 問題68
問題
労作性狭心症と急性心筋塞で、最も違いが明確なのはどれか。
選択肢
1 胸痛の持続時間
2 呼吸困難の程度
3 放散痛の部位
4 症状出現の時刻
解答
正解1(胸痛の持続時間)
解説
✓ 1. 正しい
胸痛の持続時間
労作性狭心症の胸痛は一過性の心筋虚血によるもので、安静やニトログリセリン舌下投与で数分から15分程度で消失する。一方、急性心筋梗塞では冠動脈の完全閉塞により心筋壊死が生じるため、胸痛は30分以上持続し、ニトログリセリンでは改善しない。この胸痛持続時間の差が両者を鑑別する最も明確な指標である。
✗ 2. 誤り
呼吸困難の程度
呼吸困難は両者ともに出現しうる症状であるが、その程度の違いのみでは明確な鑑別は困難である。心筋梗塞のほうが重症で呼吸困難の程度が強いことが多いが、個人差が大きく、鑑別の決定打とはならない。
✗ 3. 誤り
放散痛の部位
放散痛の部位は両疾患ともに左肩、左腕、顎、背部に出現しうるため、放散痛の部位の違いでは両者を明確に鑑別することはできない。放散痛の出現パターンは共通しており、鑑別に有用な指標ではない。
✗ 4. 誤り
症状出現の時刻
症状出現の時刻は両者を鑑別する明確な指標とはならない。労作性狭心症は労作時(朝の急いでいるときなど)に出現しやすいが、心筋梗塞は午前6時から正午に発症が多いものの、時刻を問わず発症しうるため、時刻のみでの鑑別は困難である。
ポイント
  • 狭心症と心筋梗塞の最大の鑑別点は胸痛の持続時間である。狭心症は数分〜15分、心筋梗塞は30分以上。
  • ニトログリセリンの効果も重要な鑑別点:狭心症では有効、心筋梗塞では無効。
  • 重要用語: 胸痛持続時間, ニトログリセリン, 労作性狭心症, 急性心筋梗塞, 急性冠症候群 を正確に理解しておくこと。
比較表
鑑別点 労作性狭心症 急性心筋梗塞
胸痛持続時間 数分〜15分 30分以上
ニトログリセリン 有効 無効
心筋壊死 なし あり
心電図 ST低下(発作時) ST上昇→異常Q波
トロポニンT 上昇なし 上昇
解説画像
鍼灸 第31回(2023) 問題68|労作性狭心症と急性心筋塞で、最も違いが明確なのはどれか。 解説図
鍼灸 第31回(2023) 問題68|労作性狭心症と急性心筋塞で、最も違いが明確なのはどれか。
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