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理由で解く 臨床医学各論

Q0926 循環器疾患

出典:鍼灸 第4回(1996) 問題69
問題
心筋梗塞の診断上有用でない酵素はどれか。
選択肢
1 GPT
2 GOT
3 CK
4 LDH
解答
正解1(GPT)
解説
✓ 1. 誤り
GPT
GPT(ALT: アラニンアミノトランスフェラーゼ)は肝臓に特異性の高い酵素であり、心筋梗塞の診断には有用でない。GPTは主に肝細胞の細胞質に存在し、肝炎や肝障害の指標として用いられるが、心筋にはほとんど含まれていない。よって本選択肢が正答となる。
✗ 2.
GOT
✗ 正しい。GOT(AST: アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ)は心筋に多く含まれる酵素であり、心筋梗塞の診断に有用である。心筋壊死が起こると血中に逸脱して上昇する。ただし肝臓にも多く含まれるため、臓器特異性は低い。心筋梗塞では発症後6〜8時間で上昇し始める。
✗ 3.
CK
✗ 正しい。CK(クレアチンキナーゼ)は心筋梗塞の診断に最も鋭敏な酵素の一つであり、有用である。特にCK-MBアイソザイムは心筋に特異的である。心筋梗塞では発症後3〜4時間で上昇し始め、24時間でピークとなる。心筋梗塞の早期診断に有用である。
✗ 4.
LDH
✗ 正しい。LDH(乳酸脱水素酵素)は心筋梗塞の診断に有用である。特にLDH1アイソザイムが心筋由来として増加する。発症後8〜12時間で上昇し、ピークは48時間後で、1〜2週間高値が持続するため、発症後時間が経過した症例の診断に有用である。
ポイント
  • GPT(ALT)は肝特異的酵素であり心筋梗塞の診断には無関係
  • 心筋逸脱酵素:GOT(AST)、CK(特にCK-MB)、LDH(特にLDH1)が心筋梗塞の診断に有用
  • 時間経過:CK(3〜4時間)→GOT(6〜8時間)→LDH(8〜12時間)の順で上昇
  • 現在はトロポニンT・Iが心筋梗塞の診断に最も特異的とされる
  • 重要用語: GPT, ALT, 肝特異的酵素, 心筋逸脱酵素, CK-MB を正確に理解しておくこと。
比較表
酵素 上昇開始 ピーク 心筋特異性 用途
CK(CK-MB) 3〜4時間 24時間 高い 早期診断
GOT(AST) 6〜8時間 24〜48時間 低い 診断補助
LDH(LDH1) 8〜12時間 48時間 中等度 陳旧性梗塞
GPT(ALT) なし 肝疾患の指標
解説画像
鍼灸 第4回(1996) 問題69|心筋梗塞の診断上有用でない酵素はどれか。 解説図
鍼灸 第4回(1996) 問題69|心筋梗塞の診断上有用でない酵素はどれか。
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