学習トップ理由で解く 臨床医学各論第9章 ▸ A. 心臓疾患 / Q0906

理由で解く 臨床医学各論

Q0906 循環器疾患

出典:あマ指 第19回(2011) 問題79
問題
大動脈弁閉鎖不全症でみられないのはどれか。
選択肢
1 遅脈
2 脈圧増大
3 拡張期雑音
4 左室拡大
解答
正解1(遅脈)
解説
✓ 1. 誤り
遅脈
遅脈は大動脈弁閉鎖不全症ではみられない所見である。大動脈弁閉鎖不全症では脈は急峻に立ち上がったのち、拡張期の後半に突然脈圧が低下する水撃脈(速脈)が特徴的である。収縮期に体全体のゆれや頭部のゆれがみられることもある。遅脈は大動脈弁狭窄症の所見であり、左室から大動脈への駆出が遅延して緩徐に立ち上がる脈となる。
✗ 2.
脈圧増大
✗ 正しい。脈圧増大は大動脈弁閉鎖不全症でみられる所見である。拡張期に大動脈から左室へ血液が逆流するため拡張期血圧が低下し、左室拡大により1回拍出量が増加するため収縮期血圧は上昇する。その結果、脈圧(収縮期血圧と拡張期血圧の差)が著明に増大する。
✗ 3.
拡張期雑音
✗ 正しい。拡張期雑音は大動脈弁閉鎖不全症でみられる所見である。拡張期に大動脈弁が完全に閉鎖せず、大動脈から左室へ血液が逆流するため、拡張早期に高調ではっきりした逆流性拡張期雑音が胸骨右縁第2肋間を中心に聴取される。
✗ 4.
左室拡大
✗ 正しい。左室拡大は大動脈弁閉鎖不全症でみられる所見である。大動脈からの逆流による左室の容量負荷が病態の本質であり、慢性の大動脈弁閉鎖不全症では左室壁は遠心性肥大(外側への拡張)をきたし、著明な左室拡大を呈する。
ポイント
  • 大動脈弁閉鎖不全症では水撃脈(速脈)が特徴的であり、遅脈は大動脈弁狭窄症の所見である。
  • 拡張期血圧低下と収縮期血圧上昇により脈圧が増大する。
  • 拡張期雑音が胸骨右縁第2肋間で聴取される。
  • 容量負荷により左室は遠心性に拡大する。
  • 重要用語: 大動脈弁閉鎖不全症, 水撃脈, 脈圧増大, 拡張期雑音, 左室拡大 を正確に理解しておくこと。
比較表
項目 大動脈弁閉鎖不全症 大動脈弁狭窄症
水撃脈(速脈) 遅脈
脈圧 増大 減少
心雑音 拡張期雑音 収縮期雑音
左室 遠心性拡大(容量負荷) 求心性肥大(圧負荷)
解説画像
あマ指 第19回(2011) 問題79|大動脈弁閉鎖不全症でみられないのはどれか。 解説図
あマ指 第19回(2011) 問題79|大動脈弁閉鎖不全症でみられないのはどれか。
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